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「言ったでしょ、カワイイは正義だって。日本アニメで金髪ツインテお嬢様系美少女は主人公と口喧嘩はするし時には悪役令嬢にもなるけれど、たいていは陰で主人公推しになるのよ」
「じゃあ、タヌきちは?」
「主人公の友人系。主人公の周りにハーレムのように美少女が集まるのに、なぜか恋愛対象として見向きもされない。そのくせすごくいい人で主人公と絶対敵対しない、そんな都合の良すぎるタイプなの」
なぜかウォルフがまた頭を抱えるが、私は無視する。
「さて、残るは四人。誰かが幻影とみるべきなんだけど?」
「レイナはないよ。僕たちを魔王討伐と狸王退治に誘った聖女だもの。レイナがいなかったら僕らが旅に出る理由がない」
「アリスもレイナお姉ちゃんがいたから協力したのー」
「まあ、そこは俺も同意するが」
「ありがとう。そして私たちパーティーは互いに助け合い、お互いの不得意な点を補いあって旅してきた」
そう言って仲間のみんなを見回す。
「アリスは私たちの防御と治療。ピートは主に攻撃魔法で敵を倒してきたわ。私は攻撃魔法も回復も使えるけど、最後は魔力を込めた剣、ホーリーブレイドで魔王や中ボスを倒してきたわね」
うんうん、と全員がうなずく。
「つまり私はすべて使える戦士系。ピートは魔術系、アリスは回復系、以上で完璧って感じね……あれ、一人余ってない?」
全員の疑惑の視線が、ウォルフに集まる。
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