3 薔薇のティーパーティー

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 コティが慌てて足を乗せた枝が折れてしまった。枝を掴んでいたコティの指先はほんの一瞬だけ落下の速度を緩めたが、体重を支えられず枝が折れてしまうと、もう落下を止めることはできなかった。 さいわい、地面までは2メートルとそんなに高くはないものの、コティの体は木をこすり、バキバキと細い枝葉を折りながら落ちていく。 ――この程度の高さなら、クルリと宙返りして着地……うわーん、無理だ! ドレスが邪魔すぎるよ!  コティは堅い地面に激突する痛みを覚悟して、目をギュっとつむった。  ドスンッ! 「にゃあっ! 痛ったあ! ……く、ない。変だな。もしかしてわたし、また死んじゃったの?」 「目を開けて、コティ」 「はい、女神カルパ様…………。じゃ、なくて、王子様?!」  目を開けると、コティはルカ王子の腕に抱きとめられていた。 「よかっっっったあっ……」  王子はコティをギュっと抱きしめた。王子は細く見えるが、鍛えているため力は強い。ダンスをした時よりもずっと近い。王子の体温を感じて、コティは頬に血がのぼってくるのを感じた。コティの髪に埋もれた猫耳に王子の頬がこすりつけられる感触がする。 「んん~っ」  コティは恥ずかしくなって身じろぎすると、王子の腕からすべり下りて抜けだした。チラリと見上げると、ルカ王子が優しい目でコティを見ていた。コティは熱くなった頬を両手で挟んで隠した。
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