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あとがき!
昨年の12月から投稿を始めて35万字、長々とお付き合いいただき本当にありがとうございました。このたび無事ラストを迎えることができました!
最後のロンさまの決断、びっくりされた方もいらっしゃったかもしれませんが、最初からラストはこうしようと決めてこの話を書きはじめました。というか、最後のオチだけを決めて、あとはだいたいその場のノリとアドリブで書いた作品です。
これまでもファンタジーはたくさん書いていたのですが、もっとシリアスな作風で書くことが多かったので、物語の中でたくさんの人を殺しました(涙
そういうのに心が疲弊してしまって、「次は絶対に人を殺さない、読んでいて明るく優しい気持ちになれるぽやぽやファンタジーにしよう!」と思って書きはじめたのがこの作品です。その目標通り、今回の作品の中では誰も殺していないはず(金魚ちゃん以外。金魚ちゃんゴメン)。
今年は体調が優れない日が多くて、そういうときはたいていこの話を書いていました。体調が悪くても書ける、書いている自分が一番癒される、癒し(と笑いの)かわいいファンタジーに仕上がったと思っています♡
あと、ギャグっぽさとアニメっぽさを意識して、これまでで一番登場人物のキャラをガンガン立てまくって書きました。そしたら創作界隈できどき見かける「勝手にキャラが動き出す」あるいは「言う通りに動いてくれない」ということが本当に起こりました(笑)。特にアルドカップルとマーリンカップルは、こっちが指示しなくても勝手に大騒ぎして勝手に収まってくれたという感じがします。
当初アルドはただのトトのお世話係として登場させたつもりでしたが、いつの間にか準主役級にのしあがっていました(笑)。お相手のサロスさんも、5種族いるからとりあえず全種族出しておこうくらいの軽い気持ちだったのですが、国際ロマンス詐欺を疑われるくらいキザで紳士でハイスペックなのに実は性欲五倍戦艦というギャップがおかしくて、登場させるたびに心の中で笑っていたお気に入りキャラでした。サロスさんはお笑い要員なので、登場したら笑ってオッケーな人です(笑)
マーリンも話の終盤に出す予定だったのですが、作者が口の悪いキャラが大好き過ぎて、早めに帰国させて大暴れしてもらいました。師弟関係にあるトトとのコントのような絡みや(マーリンは案外トトを可愛がってるし、トトも案外マーリンを尊敬していて、案外信頼関係が築けてるのがポイント)、会話が噛み合っていないくせに相性抜群の変態バカップルも、書いていて本当に楽しかったです。
モトアくんとクラリちゃんの正統派男女カップルはBLに出していいものかどうか悩んだのですが、嫌味がなく可愛らしいカップルになったかなと作者的には満足しています。(いかがでしょうか?)
今作はタイトルの通り「命」がテーマの物語でした。異種族間の寿命の差をどう乗り越えるか、というのが話のキモです。
相手の寿命に合わせることを選んだカップル、寿命が縮むことが分かっていてもそばにいることを選んだカップル、あと種族の壁を乗り越えるために試練に耐えたカップル。三種三様の人生の選択を描くことができたかなと思っています。
あと数字の計算が苦手なので、時間の経過と寿命を合わせることが意外に大変でした(笑)。分かりにくかったかもしれませんが、浦島太郎みたいな感じで国ごとに時間の流れが違います。トトちゃんがエルフィンラントで過ごした一年のあいだに、人間界では五年の月日が流れています。逆を言えば、エルフが五年間を人間界で過ごすと、身体的には一歳分しか歳を取らないということです。さらにエルフは体感としても人間の五倍長生きなので、実際に生きている時間は5×5で、人間の寿命の25倍ってことになる、はず(計算が合っているか不安……笑)
前々から分かりにくいと思っていたので、グレート・ウィザード・リターンズ(p.161)に以下の文章を差し込んでおきました。
「エルフは人間より五倍長寿であると言われる。さらにエルフィンラントは人間界の五倍時間の進みが遅いので、実際には人間の二十五倍の時間を生きることになる。
つまり450歳になった国王さまは、人間界の時間に換算すると、すでに2,250年の時間を生きたことになるのだ。」
これで少しは分かりやすくなったでしょうか?
ラストシーンは、おじいちゃんになったトトとずっと姿が変わらないままのロンさまが、ふたりの出会いの場所であるブルーベルの森に戻ってきたシーンにしようと、最初から決めていました。ブルーベルの花言葉が「変わらぬ心」だったことに気づいたのはこのシーンを書いていたときで、私自身がちょっと感動しました。
ブルーベルというお花は実際にありまして、イングリッシュ・ブルーベルと言われるお花のことです。写真で見ると青というより青紫ですが、釣鐘型のメルヘンでかわいいお花です。イギリスではブルーベルの群生地に妖精が住むと言われているんですって。その記事を読んで、エルフの国の花としてブルーベルを使おうと決めました。
そこから「僕のブルーベル」というセリフを思いついてトトの瞳の色を青にしたり、タイロンの姉たちの名前をベルで揃えたりと(ベルサファイアという母の名を思いついたのは登場ギリギリで、妖精の女王様だからふつうにティターニアにしようと思ってました笑)、全体的にブルーベル合わせをしました。
あと今作は、楽に、楽しく書く、がモットーだったので、私の他の作品より文体がテキトーでゆるゆるです。その代わりに全力でカロリーを注いだのが、マーリンの罵詈雑言(笑)。
ではここで、猫森お気に入りのマーリンの暴言ベストスリーを発表します!
「ケツ穴ほぐしてるうちに気づいたら成人してンぞ。問題ねぇよ」(←サイテー!)
「ハッピーなおノロケちゃんは一粒一粒種取りしながら地味に地道に食いやがれ!」(←スイカの種って面倒だよね)
「テメェらマジで贅沢病かよ。恵まれない子供たちに募金してから出直して来いや!」(←いいこと言ってる)
口悪受けサイコーです♡
あとこれはよかったのか悪かったのか分からないのですが、キャラのイメージがはっきりあったので自作の下手くそなイラストをいろいろ差し込みました。描きたいと思っているものももっといろいろあって、人魚花嫁アルド(絶対カワイイ!)&皇帝サロスさんとか、結婚式のときの羽織袴のキレイなマーリン&タイちゃんとか、モトア&クラリカップルとか、フツーの高校の制服を着た現パロ?トトちゃんとか。いかんせん体調が整わないので、いつ描けるか分からないんですが、もし描けたら見にきてくださいね。あと番外編も書く気になればいろいろネタはあるのですが(本編で書けなかったアルドの5倍戦艦初陥落エピとか笑)もし気が乗ったら書こうと思ってます。
では最後にちょっと宣伝を。現在Amazonで『太陽の王は水の底に睡る』というダークファンタジーBL(最愛と真反対の、人がいっぱい死ぬ系)をKindleで配信中です。これと同シリーズのフランス宮廷風純愛BL『ルイ・ル・グランに誓って』と、有翼の美少年の救国BL『雪と星繋ぎのスピカ』をいう作品を次にKindle化する予定でいます。
こちらの2作は受けちゃんが可愛くて読みやすい作風だと思いますので、発売されたらぜひ探しにきてくださいね。Unlimited対応で、購入価格も抑えめにするつもりでいます。表紙も挿絵もイラストレーターさんに素敵なものをお願いしておりますのでどうぞお楽しみに♡
(どっちもまだエブリスタで読めますが、特にルイ・ル・グランの方はKindle化のためにジレきゅんエピソード増量していますので、よかったらKindleの方も読みにきてください♡)
次回作BLもぼんやり構想していますし、またどこかでみなさまにお会いできれば嬉しいです(フォローしてもらえるとやる気出るのでぜひ!)。
最後になりましたが、大好き人のためにいつも一生懸命なトトちゃんを長い期間応援いただき本当にありがとうございました!
少しでも笑いと癒しの時間を提供できたなら何よりの喜びです。
2024年8月19日(実は今日誕生日!)
猫森千世
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