第14話・陵辱。

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 ユーインは、色欲の眼差しを向けるこの愚かな鬼どもにエイドリアンが屈辱を浴びせられ、瀕死になっていることに嫌気がさした。  けれど今、これらに何を言ってもただ神経を逆撫でするだけだ。  結局、エイドリアンがいたぶられ、苦痛を強いられる。  ユーインは唇を噛みしめ、悔しさでいっぱいになった心を必死に押し止めた。  押し黙るユーインのしなやかな肢体に、兵士たちは釘付けになる。  自分たちが付けた傷からは赤い血がしなやかな身体を伝い、床へと滴り落ちる。  激痛と屈辱が荒い呼吸を生み出し、そのたびに揺れる背中と、流れるようななめらかな腰から引き締まった臀部がそこにいる彼らを魅了する。  ユーインの身体に己の欲望を沈ませることができたなら、いったいどんな興奮が待っているだろうか。兵士たちは皆、目の前にある美しい肢体に向けて肉体的欲望を求めはじめる。 「あんな化け物に抱かれるくらいなら俺が抱いてやるよ」 「おい俺たちにも回せよ?」 「わかってるって……」  まるで自分を品物としか見ない視線にユーインは吐き気を覚えた。  激痛のおかげで拒絶する気力さえない。それをいいことに、男の大きな手がユーインの太腿を割り、その間に太い身体が入り込むのを感じた。 「――っつ……」  これから自分は何をされるのか、はっきりと兵士らの意図が判る。ユーインの身体が強張る。  エイドリアンの力強い腕ではなく、生温かい感触が自分の臀部に触れた。  その体温が気持ち悪い。
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