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中山の気持ち
もうすぐ60歳になる大人が…、イヤ、おじさんが何してるんだ…。
そう思うのに、癒やされる心は隠せない。
夏休み頃から時々会う生徒。
受け持ったことのない学年だからか、初めて会った子だった。
偶然が重なり、何度か会ううちに、自分が彼女に惹かれている事に気付いた。
でも、彼女は高校生だ。
40も年が離れている。
芸能人なら有り得そうな年の差に、可能性を想像しながらも、現実は厳しいと我に返る日々。
彼女が卒業したら会えなくなる。
その寂しさが、だんだん辛くなってきた。
この高校にいたら、会いたくて会えそうで、待ってしまいそうで…、以前から誘われていた、ここから離れた地元の研究職に逃げようと決めた。
今は3月。
もうすぐ、本当に会えなくなる。
もっと思い出がほしい。
彼女の記憶の片隅に…、少しでも心の中に…、思わず祈ってしまう。
こんな年になって、片思いをすることになるなんて…。
自分の今を振り返り、呆れて笑ってしまうけれど、それでも彼女に出会えた喜びは、生きる活力をもたらしてくれた。
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