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「覚えててくれてサンキュ。あ、受付してって」
「小野寺くん、これ席順のくじ引いて~」
佐野の言葉に、隣に座っていた女子がくじの入っているらしい紙袋を差し出して来る。
「あ、うん。えっと、津島さん?」
女子はさすがに髪型や化粧もあって、変わり具合が男子の比ではなかった。
当然、親しさの度合いそのものも異なる。
そのため多少疑問符付ではあったものの、すっと名が出て宏基は逆に驚きを覚えた。
「そうそう。卒業してもう六年経つけど意外とわかるもんだよね。中学も一緒の子多いからかもしれないけど」
そういえば、同窓会の案内に幹事としてこの二人の名が記されていたような、と思い当たる。
「今日は何人くらい来るの?」
割り当てられたスペースはそれほど広くはないように感じられた。宏基の問いに佐野が答えてくれる。
「二十人ってとこ。やっぱ小学校じゃなかなか集まんないか。まー大学進学で遠く行った奴らもいるし、浪人組はそれどころじゃないみたいだしな」
話しながらくじを引いて席を決め、会費を払った。
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