動き出した時間

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「披露宴はあたしたちと奈々子だけらしいけど、二次会は他にも小学校の友達何人か来るみたいなの!」 「へえ、津島さんて小学校の子たちとそんなに続いてるんだ。来るのは女の子だけ?」  宏基が首を傾げるのに、彼女が言葉を返して来た。 「そうだって。ホント凄いよね。もう卒業して十五年よ? まあそれは、あたしも有香と奈々子とは大学入ってからずっと会ってるけどさあ。でも他の子はあの同窓会以来だったりするし。あれからだってもう十年近いし。二次会は顔出しだけになるけど、久しぶりに会えるの嬉しい~」  眠っている娘を起こさないように声は抑えてはいるものの、喜びを溢れさせる妻が愛しい。 「俺は全員『久しぶり』になるなあ。女の子ばっかりなら当然か。うん、楽しみだ」  幼友達の前に、夫婦として子連れで顔を出す。  なんだか不思議で面映ゆくて、──とても、幸せだ。                               ~END~
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