再会

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「まあ、な。でも、ホントに元だから!」 「わかってるよ、だいじょーぶ」  笑ってくれた彼女にホッとする。  ……あとで何とか埋め合わせしなきゃなぁ。どうするのがいいんだろう。 「お待たせ。はい、あなたの分。これでよかった? で、沖くんはコーヒーね」 「大丈夫です、ありがとうございました。あの、お代を」  飲み物を載せたトレイを持って戻って来た美知に、怜那が財布から出した代金を渡そうとしてる。 「これはあたしの奢り。デートのお邪魔しちゃったから、せめてものお詫びの印に」 「でも……」  掌を向けて断る美知に怜那が困惑しているのを見て、俺は慌てて二人の間に割り込んだ。 「いや、俺が払うから! えっと、これいくら──」 「沖くんの分は当然もらうわ。でも、彼女のはあたしが」  言い出したら聞かない美知を思い出して、俺は仕方なく自分のコーヒー代だけを渡す。  怜那と目を合わせると、彼女も何となく事情は飲みこんだらしくて、それ以上食い下がることはしなかった。  ホントにいい子なんだよなぁ。……ゴメン。  俺が怜那の右隣、その前に美知って配置で、とりあえず自己紹介することになった。 「挨拶が遅れちゃったわね。島野 美知です。沖くんと同じ大学だったの」 「あ、私は有坂(ありさか)、怜那です。沖さんの、その──」  さすがに言い淀んだ怜那に、美知は笑いながら手を振った。 「わかってる。さっき沖くんに聞いたから。氷溶けちゃうし冷めちゃうからいただきましょう」  美知の言葉を合図に、俺たちはそれぞれ飲み物に手を伸ばした。
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