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第0章 序章。
月の満ち欠け…は、
古代中国において運勢を占う為に
必要とされておりました。
司馬懿「世界を変えるために、
何が必要であるか…月に問わねば…」
司馬懿…字は仲達。
洛陽の屋敷で月の満ち欠けを確認しながら次に自らが取るべき行動を確認していた司馬懿の元に近づいて来たのは…
張春華「どうなさったのですか?
旦那様。月と睨めっこしているなんて…」
司馬懿の正妻で才色兼備と名高い
張春華ではございましたがこちらは、占いなどにあまり興味がないようでございました。
司馬懿「月と睨めっこではない。
月の満ち欠けを確認しながら次に取るべき手段を考えなければならない。」
どうして…司馬懿が悩んでいるのかなと申しますと…
曹爽「司馬懿のような老いぼれなど、
私が倒してやろう…!」
曹爽…字は昭伯。
曹操の甥である曹真…字は子丹の息子ではあるものの父子共々ではあるものの自分本位な性格なので…人の痛みが全く分かりません。
司馬懿「今は亡き先王や先々帝や先帝が今の曹魏を御覧になられたらどれ程お嘆きになられるかと思うと…」
時は西暦247年07月07日。
張春華「では…旦那様、私の命と引き換えに機会を与えて頂いたらどうでしょう?」
張春華は急に真面目な顔をしながら
そんな事を口にしました。
司馬師「母上、例え冗談だとしてもそのような言葉を口にしないで下さい。言葉には魂が宿るのですよ?もしも…事実になったらどうするのです?」
母の言葉を聞きながら、
今にも泣き出しそうな顔をしているのは夫婦の間に西暦208年の07月07日、産まれた嫡男・司馬師…字は子元。
張春華「ごめんなさい、子元。
今日は貴方の誕生日だったわね…。
本当に自分の事しか考えていなかったわ…母を許して…ね?」
その翌日、張春華は息を引き取り、
司馬懿を始めとする家族は…
司馬懿「春華、言葉には命が宿るのに…何故あんな事を口走った…?」
悲しみに暮れてしまいました。
司馬師「父上、母上は父上の心労を少しでも減らしたいと思われていたのかもしれません。」
司馬師の言葉を聞いた司馬懿は、
哀しげに目を伏せました。
司馬懿「子元、我らが進む道は、
暗闇に包まれた道かもしれない。
それでも…」
司馬師「2度と戻れない道だとしても
我らが進むべき方向がその道ならば…進むしか道はありませぬ…」
張春華の事を想いながら…
父子は、
修羅の道を選ぶ事を決めました。
司馬昭「修羅の道ならば出来たら
足を踏み入れたくはありませぬ…」
司馬昭…字は子尚。
西暦211年に産まれた司馬懿の次男で
面倒な事は全部司馬師に丸投げ…の困った武将である。
司馬懿「…ダークヒーローと呼ばれる分類になるのだから修羅の道しか進むところはあるまい。」
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