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屋代沙良
・・・
夫婦。
私達も周りから、そう呼ばれるようになったのか。
なってみたら案外楽しいかもだとか、そんなことを想像したこともあったけれど。
屋代くんは、普通に良い人だ。
それなのに。
苗字も一緒になったのに、心の中ではずっと、彼のことを屋代くんと言い続けている。
私の中で、屋代くんは屋代くんのままだ。
この気持ちは、多分墓場まで持っていくことになるだろうな。
私は一度も君を愛したことはない、なんて。
言ったらどうなるかな。
彼は怒ったりとか、そういうことはしなさそうだけれど。
目をゆっくり伏せて、そっか、と言う姿が私にははっきりと描けた。
いくら私だって騙したわけじゃないし、屋代くんが好きという気持ちくらいはある。
人生を共にする覚悟も、したつもり。
ただ、それが恋愛感情なのかと問われれば別なのだ。
二葉。
あの時からもう、3年も経ってしまいましたね。
今どこで、何をしていますか。
貴方は何を感じ、何を思っているのですか。
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