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敵陣に着いた。にわかだったのか、雨は止んでいた。
敵共は、いきなり現れた俺達を見て驚いたらしく、大混乱に陥っているようだ。多くの敵兵が逃げていく。
だが、その一方で、俺達に向かってくる敵兵も少なからずいた。俺はそいつらと戦うことになった。
槍と槍のぶつけ合い、殴り合い。ひたすら槍を振るう。
そんな中、俺の槍が敵兵の喉に刺さった。
やった! と思ったのもつかの間。
次の瞬間、俺の喉に激痛が走った。
「うっ!」
何事かと思って視線を下に向けると、そこにあるのは槍。敵兵の手元から伸びている。
俺を刺した奴は誰かと思い、そこから視線を上げる。
俺を刺した奴は、俺が刺した敵兵。俺を睨むその目は苦痛と殺意に満ちているが、それさえなければ、つぶらで純朴な瞳のように思えた。
どこかで見たような気がする。
――!!
その顔は……
あいつだ! と思ったところで、視界がぼやけ、どんどん暗くなっていった。
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