1話 始まり。

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やがて、一年の教育訓練も終わりに近づいた頃、第一期生である七瀬達は講堂に呼ばれた。 再度配置部隊の発表であった。 多くの人は一般部隊や陸軍省等に配属になったが、七瀬の他に49名は聞き覚えの無い部隊への配属になった。 その部隊は【中央第四四三部隊】と呼ばれた。 【中央第四四三部隊】 この部隊は、陸軍参謀本部隷下の部隊であり、主に国外への諜報を主とした任務にしていた。 新設されたこの部隊自体は完全に秘匿とされ、所属している人の名前や軍歴、指揮官共に情報は完全に消されていた。 参謀本部隷下だが、本島より離れた国見島よりも遠い場所に部隊本部を置き、完全に秘匿とされている部隊だった。 この話を七瀬達が耳にしたのは卒業後に他の人が各部隊へ移動し、50人しかいない時に講堂にて陸軍参謀本部、参謀総長である大神大将が直々に来訪し、激励の言葉を送った。 「君達はこの大東皇帝国の為、死ぬ事は許されない、どんな状況に陥っても最後の一人となりて任務を遂行し、我が国を繁栄させる礎となって欲しい!君達が日を見ることは無いかもしれんが、いつの日かこの国を繁栄に導いた英雄として語られる事になるであろう!誇りを持て、君達は名誉ある侍なのだ!」 そう言うと大神は万歳三唱する。 それに伴い、七瀬達も万歳三唱を唱えた。 こうして彼らは中央第四四三部隊のある沖野島へと向かうことになる。
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