1話 始まり。

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[1911年4月 大東皇帝国] こうして、第四四三部隊のある沖野島へと移動した七瀬達はそれぞれの任務を言い渡された。 特に成績の良かった七瀬以下6名はアルラ連合王国へと潜入する事となった。 それ以外も各国へ潜入し、諜報、扇動などを行うため各個人に任務が与えられた。 その中でも七瀬は、特殊な方法で入ることになるのであった。 最終的な目標はアルラ連合王国の貴族院に潜入する事であった。 貴族に潜入すること自体難しいのであったが、元陸軍将校である藤浪少将の知り合いの人材斡旋業者の元に時々、従者依頼が来るのである。 そこに目を付けた、陸軍は藤浪に作戦内容を話し、承諾。 藤浪の友人の孫と言う体で七瀬は業者の元に就職することとなった。 そして、七瀬 瑛(ナナセ アキラ)の名前では無く、志波 瑛(シワ アキラ) になり、戸籍、職歴共に捏造された人物となった。 こうして、藤浪の紹介で業者に就職した彼は様々な事を学ぶ、掃除、洗濯等の家事や、国見学校でも行っていた社交ダンスや礼節等を徹底的に叩き込まれた。 この会社自体は、政府関係者、華族の従者や侍女、秘書官などを育成し、国内、国外共に斡旋する。 そのまま良ければそこに就職するといった事を行っていた。 七瀬は元より吸収が早かったので様々な求人を紹介されたが、アルラ連合王国のものは無かった。 取り敢えず、藤浪の紹介で国内の華族であった相浦家に従者として入り、経験を積みながら機会を伺っていたのであった。
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