1話 始まり。

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護衛が殴りかかり、志波が防ぐと、志波はそのまま胸ぐらを掴み大外刈りをする。 尻もちをついた護衛にそのまま、馬乗になり殴ろうとした時に、相浦とベントからストップがかかった。 志波が護衛に手を出し、それを掴むと護衛を起こした。 ベントは満足気に笑っていた。 日も暮れ、夕食を相浦達が食べ始めるとベントがおもむろに相浦に言う。 「シワさんをワタシに譲ってほしいです」 相浦は驚いた顔をした。 「元々、ワタシが東皇に来た理由はある方に頼まれてなのです、その内容が、東皇人で腕が立ち、アルラ王国の言葉を話せる専属使用人を探して欲しいと頼まれてるのです、その相談でアイウラさんを訪ねたのですが…早速見つけてしまいました」 そう、ベントは笑う。 ベントはアルラ連合王国の外交官であり、旧知の仲であり、政府にもパイプを持つ相浦を経由し探そうとしていたのだった。 この内容は志波にとって吉報であった。 相浦は少し悩んだ。 そして、志波に問いただした。 「志波は行ってみたいか?」 「…旦那様のご要望であれば引き受けます」 「…そうか、なら志波!東皇人の底力を見せつけてやりなさい。」 「かしこまりました」 ベントは大いに喜んだ。 こうして、会社から相浦家に引き取られ、そのままベントと共にアルラ連合王国の貴族の一つであるウィンドル家に移る事が決まった。 一ヶ月の間に国外へ移る申請や準備を進める事になり、その間に軍部へ報告を行う。 第四四三部隊はその情報に大いに喜んだのであった。
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