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2話 出会い。
[1911年3月アルラ連合王国]
一人の少女はため息をつく。
彼女の名はアリア・ウィンドル。
ウィンドル家の一人娘で6月産まれの15歳の少女だった。
彼女の家は貴族十三家の1つであり階級は伯爵の家系で、王都から離れた地方領主だった。
領主と言っても役割は知事のようなものであり、階級はほぼ形だけのものであったが根強くカースト制度は残っていた。
アリアはどうしても自分の専属の使用人が欲しかった。
他の貴族院の令嬢には専属の使用人がついていたが、アリアには専属と呼べる使用人はおらず、父親のメイドが1人付くような形であった。
メイド自体はほぼアリアの専属使用人であったが、周りの使用人とは違くどちらかと言うとアリアの監視役としての役割が強かった。
アリアにとって逐一父親に報告される為、息苦しく、心休まることが無かった。
尚且、来年には王都アザレア学園に入学することになり、完全寮制の上に従者を二人付けなければならなかった。
そこでアリアは自分のお小遣いや貯金を使い従者を雇うことを決め、新しい従者を父のロベルトにお願いすることにした。
たが、国内で優秀な人材は他の貴族に雇われたり、社長専属などでアリアの予算を大きく上回る事になってしまった。
それでも、彼女は諦めずにロベルトにお願いをし続けていた。
そのことに対してロベルトも頭を悩ませていたのであった。
ロベルトは仲のいいベントの存在を思い出し相談を持ちかける事にした。
(彼なら顔が広いからなんとかできるかもしれんな…)
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