2話 出会い。

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1912年1月 七瀬は志波としてアルラ連合王国へと入国を果たしたのであった。 港には主になるロベルトとその従者であったアンが待っていた。 ベントの紹介で志波が挨拶をする。 契約は3年間であった。 志波はそのままロベルトの秘書が運転する車に乗り込む。 「再度よろしく頼むよ、シワ」 「私こそ、ウィンドル家に従えられる事がとても光栄です。」 そう言うと陣場は座りながら頭を下げた。 ロベルトは陣場の横にある長い棒の様なものが目に止まった。 「それが、サムライの魂である刀かい?」 「そうです。」 「なるほど…思ったより長くはないのだね。」 「そうですね、ロングソードと比べればそこまでは長く無い物になります」 「ブシドーと言うものか。君は私の娘の言う事を聞いて、娘を守ってくれ。それ以上もそれ以下も私は求めないさ。娘が喜べばそれでいいよ。」 「かしこまりました。」 志波が言うと、ロベルトはため息をついた。 「まぁ、辞めたくなったら直ぐに言いなさい。」 「ありがとうございます。」 やがて車は長閑な風景の真ん中を走る。 志波はそれを眺めていた。 (お国の為…ここは敵国、歓迎されていないのは百も承知だ。) 車はやがて屋敷へとたどり着いた。 地方領主と言っても伯爵階級ということもあり、立派な屋敷だった。
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