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「あんな感じでしたが…私の仕事はどうなりますか?」
「そうですね…身の回りの事に関しては私達が行っているので、シワさんは日頃の送迎やお嬢様の護衛をお願いする事になります。更に今年の4月には王都へと向かいますので」
「かしこまりました。」
「一緒にシワさんのお部屋をご案内しますね」
アンはそういうと、志波の部屋へと案内する。
志波の部屋は庭園側の小さな小屋であった。
部屋というより物置小屋に近く、ベッドしか置いていなかった。
そこに荷物を置くと荷物整理を始めた。
そして彼は刀を剣帯に入れスーツを羽織る。
そしてそのままアリアの部屋の前で待機をする。
こうして志波としての3年間が始まったのであった。
来て一ヶ月ほど経ち、他の執事やメイドから学校までの送迎手順や日常の身の回りの支度など大量に覚えると、志波は卒となくこなして行った。
ロベルトの護衛兼執事もこなし、評価は高かった。
そんな姿をロベルトは感心していた。
「彼は凄いな!なんでも出来るじゃないか!」
そう電話でベントに報告をする。
「正直、彼ほど優秀な東皇人は私も初めてみましたよ!お気に召しましたか?」
「あぁ!十分だよ、他の連中からの不評もないさ。ただ…アリアがな…」
「お嬢様がどうされましたか?」
「彼に対してあまり良く思ってないみたいでね」
「そうですか…」
「まぁ、慣れるだろうさ」
ロベルトは笑うと電話を切った。
「アン!シワはどうだ?」
「来て一ヶ月が経ちましたが、屋敷の中でも人気です」
「そうか、アリアとはどうだ?」
「アリア様は未だ嫌っています。」
「そうか。もう2ヶ月しか無いというのに…」
そう言うとロベルトは溜め息をついた。
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