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朝食会場では客室用の朝食とレストラン朝食があり、志波は客室用のを2つ持ちそのまま部屋へと戻った。
「今日も朝食は食えないかな」
そんな事を呟きながら歩く。
基本的にアリアの従者のためアリアの命が必要になった。
部屋の前まで着くとアンが待機していた。
「ありがとうございます。」
アンはそう言うと、紙袋からパンを出し志波に渡した。
「いつも大変なんですから食べてください。」
「ありがとうございます。」
渡されたパンを食べながら部屋の横に立つ。
「…あれ?シワさんですか?」
少女が声をかける。
「…また会いましたね。」
「私もこの端の客室なんです。」
少女は笑う。
「護衛さんだったんですね。」
「…まぁ」
少女は志波の胸元に着けられた徽章を見る。
そこにはウィンドル家の紋章であるスズランが描かれていた。
「…ウィンドル家の護衛さんなんですね。まさかアリア様のですか?」
「そうですね。」
「…そうでしたか」
少女は少し落ち込んだ顔をした。
「私はこの度アリア様と同じく入学することになった、エイミー・リーズです。リーズ商会の次女になります。以後お知りおき下さい。」
そう言うと一礼し急ぎ足で歩いていった。
「リーズ商会…確か財閥の一つだな」
(…一緒の学校なら情報が増える機会が得れたな)
そんな事を考えながら志波は汽車の揺れに身を任せた。
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