2話 出会い。

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テラスに入ると数人いるだけで席は結構空いていた。 「…」 やはり周りの目は志波に向くが胸元の徽章を見て皆目をそらした。 「あの東皇人、貴族の飼い犬なのか…」 そんな言葉がコソコソと聞こえる。 「…はぁ、だから連れて行きたくなかったの。」 そうアリアは言い放つ。 「申し訳ございません。」 「…あっそ。」 アリアはそのまま席に座る。 志波はその座席の隣に立った。 「…立ちっぱなしは私が恥ずかしいから座りなさい。」 「ありがとうございます。」  志波は向かい合わせの席でアリアの左前に座る。 二人の間に沈黙が続いた。 「…あんたはなんで王国に来たの?」 「それは、ベントさんから誘われたので…」 「家族とかはいるんじゃないの?」 (適当な追い出す理由があれば…) アリアはそんな事を考えながら志波に質問する。 「家族はいないです。幼い頃に亡くなったので。」 「…そう。」 「…私に恥をかかせないでね。」 「かしこまりました。」 再び沈黙が続く。 「…」 (…不味いな……一向に進展がない…) 「あの…お嬢様。質問宜しいでしょうか?」 「なに?」 「あっちの学校では何かクラブには入られるのですか?」 「唐突ね」 「申し訳ありません。何せ、そういった活動は参加できなかったので興味がありまして…」 「そうね…まぁ、あっちに着いてから考えるわ。」
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