1話 始まり。

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「おぉ、来たかそこに座りなさい」 大山が陣場に言う。 「失礼します」 七瀬は指定された席へと座る。 「君を呼んだのは他でもない」 大山がそう言うと、物々しい雰囲気で会話が進む。 「…君は東部第四四部隊への配属を命ずる」 静かなトーンで吉田少将が七瀬に向け言葉を放つ。 七瀬は不思議そうな顔をして質問する。 「東部第四四部隊ですか…?聞いたことがない部隊なのですが」 「君は察しが悪いな」 大山は笑いながら言う。 「実際にはない部隊だ本当の名称は陸軍国見学校だ、簡単に言うと特殊戦学校だよ」 そう吉田少将が言う。 「この学校は、最近新設されてね、陸軍士官学校の一部人間と陸軍参謀本部くらいしか知らない部隊だよ」 奥島大佐が言う。 七瀬は豆鉄砲を食らったような顔をした。 「な…なぜ私が?」 「それは私もわからない、参謀本部からの直々の通達だからね」 吉田は髭を擦りながら答えた。 「一応、明日の君の部隊発表は形式上、第一師団の第一歩兵連隊と言うことにしておくから、よろしくね」 大山は七瀬に念を押す様に言った。 「わかりました、ありがとうございます」 そう答えると話は以上と退室を甲斐が促す。 七瀬は失礼しましたと部屋を出た。 (特殊戦学校か…)
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