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校舎の入口になると志波はバッグを渡す。
「行ってらっしゃいませ。お嬢様。」
その言葉を無視してアリアは校舎に入る。
事前に周知されたクラスへと足を勧めると途中で声をかけられた。
「アリア様でしょうか?」
振り向くと、エミリーが立っていた。
「初めまして、リーズ商会のエミリー・リーズです。お父様が良くお世話になっているとお伺いしていましたので、お会いするのを楽しみにしておりました。」
そうお辞儀をする。
「こちらこそ、初めまして。良く話は聞いていたわ。よろしくね。」
「アリア様はどちらのクラスでしょうか?」
「私はAクラスよ。」
「そうでしたか!私もAクラスでした!」
エミリーは嬉しそうに答える。
「もし、よろしければご同行しても…?」
「えぇ、行きましょう。」
2人はそのまま歩くもアリアは違和感を覚えていた。
「エミリー。別に畏まらずに会話しなくても大丈夫よ。アリアで良いわ、一緒に学ぶんだから。」
その言葉に少し戸惑いながらも返答する。
そもそも貴族院のアリアと財閥のエミリーには確執がある。
「…アリアさんとお呼びはさせて下さい。」
「…わかったわ。エミリー。」
2人は他愛もない会話をし始めた。
「アリアさんはもう、クラブは決めました?」
「…特に決めてないわ。エミリーは決めたの?」
「私もまだです…」
「まぁ、クラブ見学で決めれば大丈夫よ。」
「色々見てみましょう。」
2人は笑う。
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