3話 新天地。

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校舎の入口になると志波はバッグを渡す。 「行ってらっしゃいませ。お嬢様。」 その言葉を無視してアリアは校舎に入る。 事前に周知されたクラスへと足を勧めると途中で声をかけられた。 「アリア様でしょうか?」 振り向くと、エミリーが立っていた。 「初めまして、リーズ商会のエミリー・リーズです。お父様が良くお世話になっているとお伺いしていましたので、お会いするのを楽しみにしておりました。」 そうお辞儀をする。 「こちらこそ、初めまして。良く話は聞いていたわ。よろしくね。」 「アリア様はどちらのクラスでしょうか?」 「私はAクラスよ。」 「そうでしたか!私もAクラスでした!」 エミリーは嬉しそうに答える。 「もし、よろしければご同行しても…?」 「えぇ、行きましょう。」 2人はそのまま歩くもアリアは違和感を覚えていた。 「エミリー。別に畏まらずに会話しなくても大丈夫よ。アリアで良いわ、一緒に学ぶんだから。」 その言葉に少し戸惑いながらも返答する。 そもそも貴族院のアリアと財閥のエミリーには確執がある。 「…アリアさんとお呼びはさせて下さい。」 「…わかったわ。エミリー。」 2人は他愛もない会話をし始めた。 「アリアさんはもう、クラブは決めました?」 「…特に決めてないわ。エミリーは決めたの?」 「私もまだです…」 「まぁ、クラブ見学で決めれば大丈夫よ。」 「色々見てみましょう。」 2人は笑う。
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