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性癖バレて処女喪失
最近彼女に振られた。理由は、セックスの時に俺――池沢一樹がお尻をいじめてほしいと言ったから。
「はぁ……。やっぱり今回の彼女もダメかあ」
俺は一度だけ上司に無理やり連れて行かれた夜のお店で、嬢にお尻を初めていじられてその気持ち良さにハマってしまった。そして、それ以来一人でするときお尻を触るのがやめられない。もう性器だけの刺激だとイけないレベルに達していた。
そして今回の彼女も行為中に俺が毎回達してないことを訝しんで聞いてきた。だから意を決して打ち明けたんだ。
なのに、振られた。それが理由ではないと言われたけどタイミング的にソレだろ。
まあわかってるよ。男が尻いじめてだなんて気持ち悪いよな。しかも俺が窓口で奥様たちに「爽やか系の美形」と称されるタイプだから逆ギャップってやつだよね。わかります。
見た目は仕事的に小綺麗にするよう心がけてる。だからあまり性欲とかなさそうに見えるんだろうな――実際は有り余ってるんだけど。
まさか銀行窓口職員の俺が、お尻にいろんなおもちゃ挿れて気持ちよくなってるなんて奥様たちは夢にも思わないだろう。
――ごめんね、夢を壊して。でももう俺は戻れないとこまで来てるから。
まあそんなわけで、恋人に振られて傷心の俺は今夜職場の飲み会に参加させられてる。営業成績優秀な人だけ呼ばれて本部の人が「もっともっと頑張ってねー」って労ってくれるやつね。
そこに来てた本部の年下社員である篠田くんがまあ、女なら誰でも惚れるだろっていうくらいのイケメンなんだ。背は高いしちょっとブラウンがかった髪は自然に流しててさりげないのにかっこいいし。ジムとかちゃんと行ってんだろうなっていう腕とか胸板だし。脚長いのムカつくわー。こんなイケメンなら彼女に振られる事もないしそもそもお尻の良さにハマってどうしようもなくなるとか無いんだろうな~って思って見てた。
それで酔っ払って俺が最近振られたばっかなの皆んなに話してたら、そのイケメンくんが寄ってきた。
――馬鹿にしに来たのか? と俺は警戒したが、コソッと耳元で「俺も最近振られたんです」だって! この見た目でも振られるとかあるの!?
意気投合した俺たちはみんな二次会行ったけど二人だけで抜けて別の居酒屋に行った。半個室になってて他の人に声聞こえないのが良いね。そこで傷心を慰め合ったわけ。
「え、つーかなんでその顔で振られるの?」
って俺が酔ってるのいいことに無遠慮に聞いても笑って「何でですかねぇ。」って感じがいい奴なんだよ。
「向こうは結婚したかったみたいなんですけどその気ないって言ったら怒られて。逃げられました」だって。
「はー? それ振られたうちに入る!?」
何だよ、やっぱイケメンは振られ方もちがうわ。
「それじゃあ池沢先輩はなんで振られたんですか?」
だと? それは君、あれだよ。
「性の不一致だな」
「へぇ、具体的には?」
俺は酔っててつい、本当のことを言ってしまった。
「俺さー、ナイショなんだけどお尻いじらないとイケなくなっちゃって。そんでそれ言ったら振られたぁ。あはは!」
――あれ? ここ笑うとこなんだけど?
なんか後輩くん目が真剣で怖いよ??
「先輩。俺、男とヤったことないんですけど」
だって? そんなん俺もねーよ。
「でも池沢先輩のことなら抱けそう。ハハハ!」
「アハハハハ! うける、お前の顔なら俺も抱かれたいわ。アハハハ!」
「え?」
「……え?」
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