宇宙人ホームステイ

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たぶん無免許の正太郎父さんがしっかりと飛ばして遠くの科学館までわざわざ連れて行ってくれた。 「あれは、絵おいジェれジョイえ星と呼ばれるものですね」 僕にはよく解説の人が何を言っているのか聞き取れなかったが、その時に他の四人があっと息を飲んで、ただぼろぼろと触覚から緑色の液体を出していたのがわかった。遠く、遠く、具体的に光年という単位が僕にとっては概念的なものでしかないのに、この家族の前だったらそれはあまりにも具体的なものになってしまった。 「なあ、もしかして」 「そうだよ」 私語は厳禁だったので、プラネタリウム中に遼太郎とそう話したのが唯一のことだった。
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