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「えお前らトイレすんの?」
「なんだよ変態」
なんだか締まらないような気がして、父親である正太郎父さんが乾いた咳をして、こっちを向いてにっこりと笑ったような気がした。
「またこっちにも来いよ、人の子」
「父さん」
最後まで僕のことを人の子としか扱わないのはかわいそうだと遼太郎がツンツンつついた。
「待ってるからな、由紀夫」
「いつか行くよ」
たぶんその約束は、僕には寿命が短すぎるし、僕にそんな能力があるとは客観的に考えたらできないに決まっていたのに、この時はいつでも会えるような気がした。たぶん正太郎父さんも僕には無理だと思ってるかもしれないけど、それでも父さんたちと過ごしたのはなんやかんや結局楽しかった。
「遼太郎、地球征服ってどうなったんだ」
「できたらしてやるよ」
返されるばかりだったのでどこか安心した。
が、
「いつでも地球征服してやるよ、零翔」
と正太郎父さんに聞こえないように耳元でささやかれた。
「お前、最後まで何でも知ってんだな」
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