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次の日、そのことを全部例のおじさんに言ったのだ。
その日はちゃんと服を着ていた。通学電車の中によくいるありふれたような格好をしていた。おじさんは深く考え込んだ。
「つまりはいじめられてるってことか」
「違うの、綺愛羅が私のこと親友って言ってきてるから」
「君はどう考えてるの」
何も言い返せなかった。
「そういうことだよ」
おじさんはペットボトルを取り出して、ぐびぐび飲んだ。息継ぎをした。
「ごめんな、でも話聞く限りそうとしか思えないんだよ。だいいち君からキアラに要望を通したことあるのか」
「無い」
「じゃあそうだろ」
「自分でもわかんないの、怖いのか嫌いなのか」
「おじさんが見るには今つきまとわれちゃってるから怖いと思ってるだけで、多分離れてみたら嫌いになると思う」
今になって考えると、それは実に当たっていた。たとえ高校に行っていたとて、中学校の同級生に付きまとうことなんてあるはずないのだ。
「いいかいお嬢ちゃん」
真剣そうな顔をした。何かと私まで真剣な顔をした。
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