相談相手は露出狂

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それから一週間と少しか、数週間が経ってからか、朝少し真剣な目をした担任の先生が教室に入ってきた。 「みんないるか」 そして教卓に手をついて、一通り綺愛羅なんかにどしたん今日真剣じゃんうけるなんてのをいじられて、そんな今日はふざける感じじゃなくてなと言った。改めて真剣なムードは作り出された。 「西新町のマックスバリュのあたりに住んでる人、いるか」 どきりとした。私が住んでいる近くのマックスバリュだからだった。おじさんと会っていたマックスバリュだ、ということはおじさんは。 「真弓ぃ、あんた」 「あっはい、私そこの近くの方で住んでて」 クラスの人たちが一斉に私の方を向いた。確かその西新町というところに住んでいるのは他に大野くんや堀井くんがいたはずなのだけど、偶然二人は休みで私しかそこに住んでる人はいなかったからだ。 「島田」 「はい」 「後で個別に話聞かせてくれ」 心臓が上下だけじゃなくて左右にもガンガン揺れているのがわかった。私には何も困らないのに、私はそういえば先生から見れば被害者に他ならないのだ。 「なぁに真弓ぃ、誘拐でもされかけたのぉ?」 違うのに間違いじゃなかった。頭を抱えた。
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