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「島田、お前十二日の水曜日に何してた」
「な、なんですか急に。いきなり個別で呼ばれても要件から言ってもらわないと。私、問題なんて起こしてなくてただ」
おじさんと会っただけだ。そう言おうとした。先生に向かって嘘をついたのも個別で呼び出されて聞かれるのも初めてのことだった。
「まあそうだよな。急に呼び出したらそりゃ、自分が怒られるみたいだよな」
「っそうですよ、こんな三年生で怒られるようなことしないですって」
「だよな、先生も島田のこと信じてる」
信じてる、といった後にこっちをまっすぐに見た。こそばゆい、背中が痒くなった。
「あの、言いにくいんだが島田」
「なんですか」
「お前んちの近くで不審者が現れたと通報が来たらしい、それで被害者が島田みたいなんじゃないかって」
その通りだった。
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