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「僕は、僕は女子中学生に最低なことをした人間でたぶん刑務所に入ったとしても1番嫌われるような人間だからだ」
「違う」
「どこがなんだ、しっかり説明してくれ」
「ちゃんとした理由があるんでしょ、それだって。『人間失格』って言った人も人格を否定し続けた人がいたのも理由なんだ。なんで元凶が1番のうのうとしてるんだ」
「そういうことはしばしばある。ただ実行にうつした方が負け」
雲がだんだんと郵便局の上を通り過ぎていく。近くで柴犬を散歩しているおばさんがこちらの方へ向かっている。
「見られたらまずいんだよ、誘拐してると思われる」
「そんなことしない」
「した上でこんなことになっている」
息が詰まってだんだんとどうすればいいのかがわからなかった。近くを赤い車がものすごいスピードで通り過ぎていった。
「他の人が見たっていう目撃情報だけなんでしょ、そんなの見間違いでなんとでもなるんだから」
「わかってない」
メガネが震えた。おじさんが珍しく声を張り上げた。私より先におじさんの方が泣いていた。
「僕は全部全部嫌になって裸を見せた上、君がいないうちに外で裸になっているところの写真を撮ってその上に紙焼きした」
「写真のデータなんて全部消せば」
「家宅捜索みたいなんで紙に焼いた写真を見られたらどうするんだ」
そしたら、そしたら!
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