戻ってきた日常

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 授業中、雄馬くんの言葉が気になって先生の声なんて耳に入ってこなかった。  侵略目的じゃないにしろ、自分たちよりも優れていて体格も大きな宇宙人がたくさんやって来たらどうなるのだろう。「ようこそ地球へ」なんて呑気な事は言ってられない。  宇宙人はきっと大きな家を建てるだろう。見たこともない大きな車を走らせるのだろう。ご飯もいっぱい食べるはずだ。自分たちの食べる野菜や果物を大きな農園で育てるだろう。  いや、そんな事をされたら僕たちの住むところがなくなってしまう。今までの生活ができなくなってしまう。すぐに出て行ってもらわなければ。  でも彼等にはもう帰る星はない。彼等は必死で住み着こうとするだろう。もしかしたら僕たち人間を追いやるかもしれない。高い科学力で攻撃してくるかもしれない。そうしたらどうすればいいのだろうか。  そして何よりも気になるのがだんご虫の事だ。何で雄馬くんそっくりだったのだろう。聞いたら気を悪くするだろうか。だんご虫とそっくりな顔なんて言われたら僕だったら怒る。もう二度と口をきいてなんかやらない。  悶々としながら、僕はノートにだんご虫の絵を描いた。
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