Chapter.1

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車は右折し、山道をどんどん登っていく。 「ずっと黙ってるつもり? 」 「何喋れって言うんだよ」 「あたしが 嫌になった理由でも列挙すれば? 」 「それで納得してくれるのか? 」 「納得できる訳ないでしょ、7年よ!? どれだけの時間が 無駄になると思ってんの!? 」 「おい、無駄ってなんだよ!! 」 「どう言い繕っても無駄は無駄でしょ。 少しでも早く身を固めたいのに またイチから出直しなんて絶対に無理」 結婚を急ぐ所も嫌な理由の一つだった。 二人で頭を冷やそう、 とドライブに出掛けたが むしろヒートアップするだけだった。 今、二人は山の頂上へ向かっている。 二人で何度も訪れた、いわば思い出の場所。 告白されたのもそうだし 記念日は 毎回ココで星を眺める事にしている。 おそらく、それも今夜が最後だろう。
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