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「ねえ、足持ってくれる?
拓也の為にやってんだよ? 」
「お、おい、待てよ、何する気だよ」
「分からない?
この死体をバレないように始末するの。
バレなければ罪にも問われない」
「もしバレたら……? 」
「ダメでもともと。早く足持ってよ」
拓也は慌てて動き、死体の足を持つ。
それは思ったより冷たく固くて
ただの物質のように思えた。
二人でトランクに運び入れ
シートに滑り込んだ時
思わず大きなため息をついた。
「安心するのはまだ早いわよ。
むしろ本番はこれから。
どうやって死体隠すか考えないと」
「埋めるとか、海に流すとかか……? 」
「悪くはないわね。
でもまだ考える時間はあるわ」
そう言って梨々華は額の汗を手で拭う。
「とりあえず家に戻りましょ」
拓也は車を切り返し
元きた道の方へ車を向ける。
そして二人は走り出す。
もう後戻りできなくなった暗い道へと。
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