4人が本棚に入れています
本棚に追加
「兄貴!この女どこかで見た事があるんですが」
「なに?どこで見たんだ!」
「チョット待ってください、今思い出しますから」
男がオヒタシーの顎のところを掴み上を向かせた。
「あっ!わかった!」
「わかったのか!どこの女だ!この女は!」
「はい、宇宙警備大隊長「セリ・タニハエール」のひとり娘「セリ・オヒタシー」ですよ
この女!」
「なに!あの五つの宇宙を束ねる
『セリ・タニハエール』
の娘なのか!この女!」
「そうです!パレードの時に『タニハエール』
の横にいましたから」
「そうか、それは面白い!たんまり稼げるぞ
この女を使えば」
男達が全員不気味な笑いを浮かべた。
「おい!誰か無線機を準備しろ!」
男達が古い無線機の配線を「試行錯誤」しながら
繋いでいた。
「兄貴、できました」
「そうか」
そう言いながらオヒタシーの横に来て
「今、お嬢ちゃんのパパさんに連絡して
お嬢ちゃんを家に帰してあげるからそして、
パパさんからお礼をもらおうかな」
「お父様が、あなた達の言うことなど
聞くものですか!」
「どうかな?娘の悲鳴を聞いたらどんな親でも
言う事を聞いてくれると思うぜ、例えば
こんな声を聞かせればな」
と言って、オヒタシーの胸を掴み捻り上げた。
容赦ないそのやり方に思わず悲鳴をあげる
オヒタシー。
「キャ〜〜ッ!」
その時だった、後ろにいた男の腕が肩口の
所から切り落とされ、前の方にコロコロと
転がって来た。
それを見た、男達が叫びながら腰を抜かす。
何かの影が動いたと思ったら次の男の足が
膝下から離れて飛んでいき、また転がった。
3人目の男の腕は、両腕とも肘から離れ
飛び散った。
男達には、なにが起きているのか誰がやっているのか、全くわからなかった。
そして4人目の犠牲者が出た。
今度は、男の両手の指10本が全て
切り取られてしまった。残った男達2人が
その惨状を見せつけられ逃げ出していく。
しかし逃げ出した2人の男達の片足が
また宙に舞った。
そして、男達を倒した影が姿を現した。
オヒタシーの前で低く構えて、口に剣を咥えた
モロコシ』だった
「モロちゃん!来てくれたのね、
この縄を解いてくれる?」
モロコシがオヒタシーを縛り上げていたロープを
最も簡単に剣で切った。
モロコシは『忍犬』専用の犬剣を
背中の所にいつも隠し持っていた。
柄の所を咥えて自由に犬剣を使い相手を
切り刻んでいく、モロコシのスピードは
普通の人間には見えない。その速度で
剣を振り回せるのだから狙ったものは
全て切り落とされる。
だが、致命傷は避けるように訓練されて来ていた
最初のコメントを投稿しよう!