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おもかげ
「一緒に行きませんか?ここのパフェとコーヒーが美味しいらしいですよ!」
水谷くんがキラキラした目で見せてきたのは隣町のカフェのインスタだった。
どれもおしゃれで美味しそうな食べ物の写真がたくさん載っている。
「な、なんで俺となんか…」
「このお店に行ったら、なにか新メニューの良いアイデア浮かんでくるかもしれませんよ!」
相変わらず水谷くんの目は光り輝いていた。
「それに、店長とデート、行きたいです」
水谷くんは小さな声で耳打ちした。ぱっと離れたかと思ったら、にっこりと笑った。周りに聞こえていないか、ドキッとする。
「分かったよ。行こう」
「やったー!」
水谷くんは万歳してニコニコ笑っていた。
思わず彼と重ねてしまう。落ち着いている人だったから感情的になることは少なかった。なんだか新鮮な気持ちになった。
結局、明日がちょうど店が定休日なので、そのカフェには明日行くことになった。
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