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泡沫の夢
「…店長?大丈夫ですか?」
はっと我に返る。横を見ると、バイトの子が心配そうに俺を見ていた。
「ああ、大丈夫だよ。ごめん、ぼーっとしてた」
カップを拭いていた手が止まっていたため、呼んでくれたのだろう。
俺はいつまで経っても彼のことを忘れられないでいた。
「今日、新しい子の面接ですよねー。大学生らしいですね。どんな子なんでしょう」
心配そうなそうな表情から、楽しみそうな表情に変わっていた。
カレンダーには先週書いた「面接」の文字があった。
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