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忘れられない恋をしよう
静かに寝息を立てる水谷くんを横目に、ぼんやりと窓の外を眺める。
この病室は水谷くん以外使わないらしく、周りを見渡せば、がらんとしている。
あれから水谷くんは救急搬送され、手術が行われた。無事、手術は成功し、今目の前で静かに寝ている。
俺のせいだ。水谷くんが目を覚ました後、合わせる顔がない。
何もかも、俺のせいだ。
彼との日々をもう一度味わおうなんて、バカなこと考えて、水谷くんを傷つけて。俺は、どうしたいんだよ。
「うっ、うう…」
涙が溢れだす。
もう、いなくなってしまいたい。あのまま、車に轢かれて死んでおけば良かったのに、どうして俺は無傷で生きているんだ。
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