No.7 幸せの証🔞

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No.7「幸せの証」🔞 登場人物名 ・受け 直人……花生み。関西弁(作者が練習中)。イラストレーター。 ・攻め 健吾……花食み。イベントプランナー。 「……ぁ。」 ふわり、と甘い花のような香りがする。 またかと思い後ろ髪に手をまわすと、髪の毛先とは違った感触が指先に伝わってきた。 軽く引っ張ると痛みも無くすぐに取れ、ぼとぼとと地面に落ちる。 地面に屈み落ちたものを拾い上げると、それは赤いカーネーションだった。 「…母への愛、純粋な愛。いや、これは……あなたに会いたい、か。」 同棲している恋人を待っているこの時間が、一番寂しく不安だ。 家事をこなして気を紛らわそうとしても、寂しさは消えない。 心だけではなく、俺の体もこうして彼に会いたいと伝えてくるくらいなのだ。 「……はよ、帰ってこんかなぁ。」 ここは箱庭。 俺と俺の恋人しか存在しない場所であり、とても快適でどこよりも過ごしやすい場所。 恋人が、俺の為だけに用意した家だ。 だが、箱庭は手入れしてくれる人がいないとすぐに雑草だらけになって、綺麗な花たちは栄養を奪われて枯れてしまう。 俺だけではなく、作った恋人もいないと完成とは言えないのだ。 「……洗濯も干し終わったし、夕飯も作った。部屋の掃除もしたし、今は急ぎの仕事は無い……取り込んだ洗濯物でも畳むか。」 今日は天気がいい。 ガラガラと引き戸を開け、縁側に取り込んだ洗濯物のカゴを置く。 その傍に座り、日光浴をしながら洗濯ものを畳もうと、カゴから服を取り出した。 「ただいまー。」 今日は午後から会社のサーバーのメンテナンスの為、珍しく仕事が昼過ぎに終わった。 家にいる恋人を驚かせようと言わずにいたが、返事がない。 俺に何も言わずに出掛けることなんて無い筈だから、仕事でもしているのだろうか。 そう考えて彼の部屋を覗いても、いなかった。 「…攫われた、とかじゃないよな。」 彼は花生みだ。花食みの俺と同じく、希少な特殊体質。 もしかしたら俺以外の花食みに狙われたのでは…と考えてしまい、焦りが生じる。 自然と足が早まり、部屋を一つ一つ見ていく。 それでもどこにも居らず、リビングに戻ってくるとガラス戸が開かれていて、暖かい風が入り込んできた。 「……いた。はぁぁ…心配させやがって。」 恋人は、縁側にいた。 日光浴をしていて眠ってしまったのか、数枚畳み重ねられた俺の服を枕にしている。 彼がいたことに安堵し、そして俺の服で囲まれて眠ってしまっている恋人にクスッと笑った。 「……直人。直人、起きろって。暖かいとはいえ、流石に風邪ひくよ。」 「ん、ん……?ぁれ、けんご……?」 直人の側へ行き、軽く彼の体を揺すりながら名前を呼ぶ。 小さく呻き、ゆっくりと瞼を開いた彼が、寝ぼけた瞳で俺を捉えた。 「…ぁ、れ……もぉ、よる……?」 「ふはっ、寝ぼけてるの?まだ昼だよ。仕事、早く終わったから帰ってきた。」 ぱちぱちと数回瞬きをして、直人が体を起こす。 眠そうに目を擦る彼に軽く笑い、側にあった眼鏡を渡した。 「……ん、さんきゅ。」 眼鏡を受け取り、直人がそれを掛ける。 意識ははっきりとしてきたようだが、まだ少し眠そうな彼の黒髪を撫でた。 「昼寝なら俺とベッドでしよ。」 「…ふは、それほんまに昼寝なん?」 「バレたか。」 俺の言葉に、直人がクスクスと笑う。 彼に手を伸ばして、直人がそれを掴むとぐっと引っ張って立たせた。 「洗濯物、家の中で一緒に畳もうか。」 「ん、おう。」 まだ洗濯物は籠に入っている。 それを手に取ると、直人が畳み終わっていた服を手に取り、部屋へと二人で戻った。 「……あ、せや。昼飯食った?」 「まだだけど…作ってあるの?」 「いや、夕飯しか作ってへんけど。どうする?出前でも頼むか?」 そういえば昼飯がまだだった。 夕食しか作っていない、という彼に、一つ提案をした。 「じゃ、それ昼飯にして夜は直人を食べたい。」 花生みは、自分の意思で花を咲かせることは出来ない。 だが花と同じく彼らの体液も花食みの俺らにとっては栄養となるから、彼を食べれば普通の食事なんて要らないのだ。 それは花生みも同じで、俺ら花食みの体液は花生みにとって栄養剤となる。 だから、夕飯は直人がいいと告げた。 「ッッ~~~!!…ぇ、ええよ。じゃあ、これ畳んだら昼飯にするか。」 直人が少し顔を赤らめ、すぐに服へと視線が落とされる。 ソファーに二人で座り、残りの洗濯物を畳んだ。 「ぅ、あ……」 「…あ。」 二人で洗濯物を畳み、彼が作ってくれていた食事も食べ終わり、リビングでゆっくりと寛いでいた。 テレビをつけ、適当にチャンネルを変えて流す。 ふと、視界の端で何かが動いたような気がしてそこを見ると、直人の後ろ髪の毛先から、鮮やかな赤色の花が咲いていた。 真っ赤な、ゼラニウムだ。 「ッ……うわ、恥ずいな……」 花を咲かせる様子はもう幾度となく見てきたのに、今更恥ずかしいと思うのか。 花生みは自分で制御できないから、どこででも花を咲かせていて、羞恥心なんて…… 「……あ、ゼラニウムの花言葉って……」 確か「君ありて幸福」だったか。 つまり、その意味を知っているから顔を赤く染めているのだろう。 「ッちょ、け、健吾!?」 嬉しくなって、直人に抱きついた。 彼は驚いたようだが、すぐに俺の背に腕をまわし、抱きしめ返してくれる。 俺は彼の頭へと手を伸ばし、髪を梳くように撫でて花を取った。 「……今食ったら、夕飯食えんくなるで?」 「分かってるって!一個だけだから。後は水盆に取っとくよ。」 「そんならええけど。」 宣言した通り、一つだけ手に取って口元へ運ぶ。 軽く香りを嗅ぎ、唇で花弁を一枚挟み、引きちぎる。 直人を抱きしめながら、ゆっくりと彼が咲かせた花を咀嚼した。 「……美味いん?」 「美味いよ。直人の咲かせる花は、いつも美味い。……体は、大丈夫?」 俺とプートニエール、つまり番関係になる前は、花を咲かせると痛みを感じていたらしい彼の体の心配をする。 「お前と一緒になってからは、全く痛みも無いで。」 「そうか、ならいいんだけど。」 少し体を離して顔を覗き込んでも、辛そうな様子は全くない。 ホッと安心し、また彼をぎゅっと抱きしめた。 「……なぁ、健吾。」 「ん、どうかしたの?」 名前を呼ばれて、体を押されて距離ができてしまう。 離されたことに少し不満を感じていると、直人が目尻を赤らめてちらりと俺を見た。 「……ぉ、おまえだけ、ズルいんやけど。」 「ッッ…!!」 すぐに目を逸らされてしまったが、彼の言いたい事は分かった。 俺だけ食事をして、ズルいらしい。 花生みは、花食みの体液を栄養剤とする。花食みの体液で、栄養を得られる。 つまり、直人からキスを求めてくれているという事だ。 「ふふ、可愛いね。」 「ッ…も、ええからはよ、」 「分かったって。」 恥ずかしそうにしながらも、早くと急かしてくる直人の後頭部に手をまわし、引き寄せる。 ぎゅっと目を閉じた彼の、薄く柔らかな唇を奪った。 「ッん……ん、んッッ…」 何度か唇を食み、舌をねじ込む。 彼の舌を絡め取り、自分の唾液を押し込む様にして与える。 それを必死に嚥下する彼を見て、ひな鳥に餌を与える親の気分になった。 「んぐ、ゴクッ…ん゛ッ、ッふ…」 直人が、満足そうな顔をする。 花を生む行為にはエネルギーを大量に消費するらしいから、生んでしまった分補おうとしているのだろう。 「んッ…ぷは、はーッッ…は、け…んご、ッ」 「…足りない?」 「……ぃ、や。後は、夜に取っておくわ。今腹いっぱいになったら、夜の楽しみがなくなるし。」 キスで蕩けた目をして、くったりと俺に体を預ける。 まだ欲しいかと聞くと、夜の楽しみにするらしく大丈夫だと言われてしまった。 「分かった。じゃあ俺も、夜に取っておこうかな。」 直人の毛先から生えてきた花を全て摘み、大事に持って彼から体を離す。 直人が見守る中、ダイニングテーブルに置いてある水盆へとその花を浮かせた。 「そういや直人、俺が帰ってくる前に花咲かせたの?」 「…んー?あぁ、日光浴する前に、ちょっとな。」 水盆に花を生けると、張られた水が波打って他の花を揺らす。 昼食を食べた際にも見たが、朝より少し花が増えていた。 「カーネーションが増えてるね。」 カーネーションの花言葉は、母への愛や真実の愛、純粋な愛など、「愛」に関係するものが多い。 だがその時の気分で花が変わる彼が、俺がいない間にそんな意味で花を咲かせるとは思えない。 と、いうことは…… 「…ふふ、そんなに寂しかったの?いつもの事なのに。」 「ッッ~~~!!ぁ、や…ちッ、ちが……」 「何が違うの?」 直人を彼の為に作り上げた箱庭に留まらせるため、ずっと一緒にいたいのは山々だが俺は働かなくてはならない。 最近は企画しているものが忙しくなり、あまり彼との時間を取れていなかった。 だから、寂しい思いをさせてしまっていたのだろう。 「直人、寂しかったんでしょ?」 「ぁ、う゛……」 カーネーションの花言葉には「あなたに会いたい」というものがある。 恐らくそれだろうとあたりをつけ、直人の元へと戻った。 「なぁ、直人。」 素直になって、と想いを込めて名前を呼ぶ。 再び彼の側にぴったりとくっついて座り、腰に腕をまわした。 「……お、俺の為に、仕事してるって分かっとるのに、最近あんま構ってくれへんかったから……」 寂しかった、と小さく直人が呟く。 彼が俺の肩に顔を埋めてしまったが、視界には真っ赤になった耳が見える。 そんな彼にクスクスと笑い、再びぎゅっと直人を抱きしめた。 「今やってる企画がだいぶ落ち着いたから、暫くは早く帰れると思うよ。」 「……ほんまか?」 「うん。」 嬉しいのか、俺の背にまわった腕に力が入る。 ぎゅうぎゅうと強く抱きしめられ、言葉にするのは苦手な彼の精一杯の感情表現に笑った。 「そろそろ、夕飯にしよっか。」 「…ん。」 二人とも風呂に入り、夕食にしようとベッドへ上がる。 だが直人はベッドに上がらず、期待したような目で俺を見下ろした。 「ぅ、えっとぉ…け、健吾……」 「ははっ、いいよ。じゃあ、直人の食事から先にしようか。」 寝室に彼が咲かせた花を活けてある水盆も持ってきていたが、直人も早く食事をしたいらしい。 ぐっと腰を引き寄せてキスをし、自分の唾液を彼に送った。 「んッ…んッふ、ふ…んぐ、ゴク…ゴクッ、ッぷは、ぁ……ッッ」 ごく、ゴクと唾液を飲み込み、喉が動く。 唇を離すと、蕩けた瞳と視線が合った。 「……こっちも、いる?」 「…ん。」 花生みが欲するものは、花食みの体液だ。 だから、唾液だけで十分ではあるのだが…… これからする行為を煽る為、いつも彼にフェラをしてもらっていた。 「んッ…け、んご……」 ズボンと下着を寛げ、ベッドの端に座る。 その目の前に直人が座り込み、俺を見上げた。 「……ええか?」 「ん、いいよ。」 直人の手が、俺のモノに触れる。 軽く手で扱かれ、緩く勃ち始めると彼の顔が近づいてきた。 「ッふ……」 興奮したように少し荒くなった彼の鼻息が、擽ったい。 舌を出し、俺のモノに歯を立てないようにゆっくりと口に含んだ。 「ッ、ん……」 「ふ、んッん…んむ、ん゛ッ……」 熱いもので包まれ、ヒクンと俺のモノが震える。 直人が必死に俺のモノを咥えている様子に、下半身に熱が溜まり始めた。 「ッん゛、ふッ、ふーッ…んぐ、んんッ…」 口を窄めて扱いたり、離して先にキスをしたり。 俺のモノにじゃれつく直人が、興奮を抑えきれないようで息が荒くなってくる。 彼の物が、反応してズボンを押し上げた。 だがそれは俺も同じで、直人にフェラをされ、血液が集まり、ガチガチに硬くなり始めている。 「ん゛…チュッ、ッは……ふははっ、もぉこんなデカくしとるん?」 「人に言えないでしょ。フェラして反応してる癖に。」 煽るような事を言う直人が、にんまりと笑い俺を見上げる。 興奮と、煽りが含まれた表情に、更に下半身に熱が溜まる。 こういう行為は苦手な癖に、強がる彼が愛おしくて俺の興奮を煽った。 「ほら、口離さないでちゃんとフェラして。飲みたいんでしょ?」 「ん…そうやった。」 本来の目的を忘れかけている直人に、自分のモノを差し出す。 ずい、と目の前に突き出されたモノに、彼が少し目を見開いて、またすぐに口に含んだ。 「ッん、ん゛……んぐ、ジュッ…ん゛ッ、ン…」 「ッは…あっついな。気持ちいいよ、直人。」 「ふぐ、んッ…レロ、チュッ…ッは、ほんまに…?」 「うん。…けど、もっと奥まで……イケるよね?」 腰を曲げ、直人に顔を寄せる。 腕を彼に伸ばし、俺のモノを咥えることに必死な彼の顎を持ち上げた。 「…な?直人。」 「ッッ~~~!んッ、んッッ!」 もう片手を彼の後頭部にまわすと、ビクッと大きく体を震わせる。 じんわりと彼の瞳が濡れ、懇願するような目で俺を見上げた。 「そんな顔しても駄目だよ。飲みたいんでしょ?ほら、頑張って。」 「ッ、ん……」 潤んだ瞳がガラス越しに俺を見ていて、興奮する。 嫌そうに眉を寄せるが、彼が期待している事も知っている。 後頭部に入れた手をぐっと引き寄せ、彼の喉奥へと自身のモノを突きつけた。 「んぶッ…ん゛、ん゛ッッ!ォご、ッ…ッん゛ーーッ!!」 彼の頭を固定し、腰を突きつけるように動かす。 苦しそうに顔を顰めたが、彼のモノが先走りでズボンまで濡らし始めた。 「ん゛、ぐゥ~~ッ!んぐ、ぉえ…ッ、ッガ…ッッ~~!!」 「ッは…きもち、いいよ…ッ、なおと…ッ」 「ぅぐ、んぶッ…ン゛ーーッッ!ォご、ッぐ…んむッ、ん゛…!」 何度も引き抜き、喉の奥まで突き上げる。 彼の瞳からは苦しいのか涙が溢れ、ぎゅっと目を閉じて俺からの刺激に耐えている。 「ッは…ほら、だすよ…ちゃんと、飲んでねッッ!」 「んッ、ッッ~~~!!」 喉の奥で、彼の口内に射精する。 久々という事もあり量が多かったようで、彼の口の中には収まりきらずに、引き抜くと同時に口から溢れてしまった。 「ん゛…ゴク、ゴクッ……ッは、はーッッ…ぁ、も…それ、ぃやや、って…ぇ」 「けど、毎回気持ちよさそうにしてるじゃん。ほら、こんなに濡らして。」 「ッッ~~!」 足を伸ばし、ぐりっと直人のモノを軽く踏む。 突然の刺激に驚いたのか、彼は前かがみになって隠そうとした。 「な?」 「ッ、う゛……」 恥ずかしそうに頬を染め、直人が俺から視線を逸らす。 そんな彼の二の腕を掴み、引き立たせた。 「美味かった?」 ベッドの上にあがるよう促すと、すぐに直人があがってくる。 彼の口の端についた白濁を指で拭いながら味を聞くと、顔を顰めた。 「そりゃあ、苦いやろ。」 「はは、そりゃそうだよね。」 俺ら花食みにとっては、花生みが咲かす花や体液は美味と感じるが、花生みは違う。 花食みから飽和した花は美味く感じられるらしいが、栄養剤というだけで俺らの体液は普通の味らしく、直人は苦手なようだ。 「…けど、満足感は他と比べ物にならへんねんな。唾液より濃いし…」 腹いっぱい、とお腹を擦って見せる彼の肩を掴み、ベッドへと押し倒す。 その上に馬乗りになると、一瞬だけ大きく目を見開き、すぐにぎゅっと閉じられた。 「…お前は、飯はええんか?」 「んー、あとでね。まずはこっちを楽しまなきゃ。」 水盆に浮かべられている花は、まだたっぷりとある。 もし行為中に彼が花を咲かせたらつまみ食いはするが、それよりも彼を愛すことを優先した。 どうせ、キスしたら彼の唾液を飲めるし。 「ナカ、ちゃんと洗ってきた?」 「…ん。解しも、したから……」 「え゛……もう、俺がやるっていつも言ってるのに……」 直人の服を全て剥ぎ取り、自身も同じように布一枚も纏わない状態になる。 片手にローションを取り出し、既に目を閉じてしまっている直人の太ももに手を入れ、片足を持ち上げた。 彼の尻にローションで濡れた手を這わし、尻穴に塗り込んでいく。 「ッふ…ん、んッ……」 入り口に少しだけ指を入れ、クルクルと縁をなぞるように指を這わす。 彼の言う通り本当に解されていて、すぐに緩んだ。 「ぁ、ん…んッ、ッは…は、ぁ…ッ」 ゆっくりと指をナカに押し込み、ローションを肉壁に塗り込んでいく。 時折前立腺を掠め、ピクピクと彼の体が震えた。 「…ん。これなら、すぐ入りそうだね。」 俺の言葉に、入れられることを期待したのか直人がうっすらと目を開く。 だが指は抜かずに、数を二本、三本と増やしてナカでバラバラに動かした。 「ッあ…け、けんごッ…ゆび、もぉいややって、ぇ…」 「だーめ。俺の楽しみ取ったんだから、付き合ってもらわないと。」 「ッふ、うぅ~~ッ!」 恨めしそうに、直人が俺を睨む。 彼が指が苦手な事は知っていた。元々外で活発的に動くタイプでもなく、会社員をやめ自宅でできる仕事に変えてからは俺の作った箱庭の中で生活している為、体力が少ない。 指で何度か絶頂を迎えてしまうと、体力がもたなくてすぐに意識を失ってしまう事が嫌らしい。 「大丈夫、一回イったら入れるから。」 「ッは、ぁあ…ッ、あ…ほッ、ほんま、か?」 「本当だって!俺も、入れる前にへばられたら困るし。」 たっぷりと押し込んだローションのお陰で、滑りが良くぐちゅぐちゅとナカで厭らしい水音が鳴っている。 「ッん、ぁ…あッ…ふ、ッ…んぐ、んッ…」 一回直人が射精したら入れると約束し、指を動かす。 三本の指をバラバラに動かし、前立腺には触れずにその周りをクルクルと這い、彼の熱を高ぶらせていく。 「ぁ、んんッ…ッふ、ふッ……」 彼が声を抑えようと、腕を口元に持っていく。 感じている声は聞きたいが、どうせ後から余裕がなくなって声を抑えきれなくなるのだ。今は好きにさせておこうと、咎めることも無く放っておいた。 「ッふ、ぅ゛~~ッッ!ッあ、け…けんごッッ!」 「ん、どうした?」 「ッッ~~~!ぁ、もッ!さっき、からぁ…ッ!じらすな、ッは…あぁッ!!」 わざと前立腺に触れていないと、バレたようだ。 涙目で焦らすなと言われて、俺のモノがまた熱を持ち始めた。 「ッ、も…ッッ!けんごッ、じッ…じらすなって、ェッ!!」 「…はは、分かったよ。直人の好きなとこ弄ってあげる。」 「んッ、ぁ…ぁあ゛ッ!ッひ、そこ…そこッッ!!」 既に直人のモノは、先走りで濡れている。 てらてらと濡れたソレに触れることはせず、グリグリと強く前立腺を指の腹で押し潰した。 「ッあ゛、ッッーー~~!ひッ…ひィ゛ッ!」 カクカクと腰を揺らし、ぎゅっと目を閉じて直人が射精する。 ぎゅっと、彼のナカが俺の指を食い締めた。 「ッは、はぁッ…ッあ、はーッッ……」 「あれ、もうイったの?」 「ッう゛……」 予想より早く射精した彼が、肩で息をする。焦らしたから、その分早く射精したのだろうか。 だがそれにしても早すぎるし、精液も濃い。 べっとりと空の腹に張り付いた精液を指で掬い、彼に見せつけるようにして厭らしく舌を這わせた。 「ッッ……」 「…濃いな。もしかして、俺が構ってあげられなかった間、ヌいてなかった?」 「ッ、あ…えぇと……」 俺から目を逸らし口籠る彼を、じっと見つめる。 「……あぁ、ヌけなかった?」 「ッッ~~~!!」 ふと思いついたことを口にしてみると、あからさまに顔を真っ赤にして、直人が恥ずかしがった。 「ッあ、ど…どんだけしても、イけんくて……ッッ!自分で尻触っても、よぉ分からへんし……」 恥ずかしそうにしながらも吐露する彼の言葉に、にやけが止まらない。 ニマニマと笑みを浮かべながら彼を見ていると、ちらりと戻ってきた視線が重なり、直人が顔を思い切り顰めた。 「……おまえ、変態か。顔だらしないで。」 「えぇ?だって、俺がいないとイけない体になったってことでしょ?滅茶苦茶嬉しいじゃん。」 「ッ……ぅ、うるせぇッ!!」 噛みつくように声を荒らげるが、照れ隠しだと分かっている。 ニヤニヤと笑みを抑えきれないでいると、直人が恨めし気に俺を睨んだ。 「ッたく……全部、お前のせいやからな。はよ責任とれや。」 「ッッ……ははッ、分かったって。」 早く入れろと、遠回しに促される。 直人の両腕が俺に伸びてきて、するりと首にまわった。 「ッん、んッッ……」 「……ん。」 どちらともなく唇が触れ合い、何度かバードキスをする。 我慢できずに俺が彼の唇に舌を這わすと、誘い込む様に開いた。 「ッん゛!?んッ、ん゛ーッッ!!」 何故か直人が抱きついていた腕を離し、俺の体を突っぱねる。 だが逃げられないように舌を絡め、ジュッと吸い付くと気持ちが良いのか抵抗が薄くなっていった。 これを好機と、歯茎をなぞり逃げる舌を絡め、唾液を送り込む。 「ん゛、んぐ…ぅ、ッ…ッふ、ぅ…んん゛ッ!」 直人は顔を顰め、だが必死に送り込まれる唾液を嚥下する。 そこでようやく、先程少しだけ彼の精液を舐めたことを思い出した。 「んぐ…ゴク、ゴクッ…ッぷは、ぁ…ッ、はッ…はーッッ」 「は……苦かった?」 「ッたりまえやろ、が…ぁッ!ゥひ、ちょお、まッッ…!!」 指で中にローションを塗りたくったから大丈夫だろうと、自分のモノを彼の尻穴に擦り付ける。 不満の声を発した直人が、その行動に小さく悲鳴を上げた。 「ッあ…けッ、けんご、んッ…」 「……入れるよ。」 「ッ……ん、んッッ!」 直人が、コクリと小さく頷く。 自身の先を彼の尻穴に擦り付け、ナカに押し込む。 ぐち、ねち、と音を立てて先がナカに入っていき、すぐに抜いた。 「ッあ、な…なんで、ぬいて……ッ」 一度引き抜くと、また先だけをナカに入れる。 グポグポとそれを繰り返していると、直人の腰が小さく揺れ始めた。 「ッふ…う゛ぅ~~ッ、んッ…んぐ、ッッ…」 物足りなさそうな顔をしているが、自分から強請るのはプライドが許さないらしい。 下唇を噛み、目に涙を溜めて必死に耐えている。 「…直人。腕、まわして?」 「んッ、ぁ…はッ、ッう゛……」 俺に言われるがまま腕を首にまわし、ぎゅっと抱きつく。 その瞬間、抜いていたモノを再び尻穴に擦り付け、一気に奥まで貫いた。 「ッッーー~~~!!」 ゴツン、と彼の奥深くを抉ると、直人が耳元で声にならない悲鳴を上げ、腹に暖かいものが掛かる。 いきなり与えられた刺激で射精してしまったらしく、ガクガクと足が痙攣している。 「ッあ゛、ッッ~~!カは、ッ…ひッ、や゛ぁ…ッッ!」 「ッはは…熱くて、ッ…きもちいいねッ…?」 「ォあ゛、ッッ!まッ…まで、ッ…う゛ゥ~~ッッ!」 抱きしめられている腕の力が強くなる。 縋るように彼にぎゅうぎゅうと抱きしめられ、ナカも同じように俺のモノを締め付ける。 「あ゛ッ…けん、ッ…けんごぉ゛ッッ!」 「ッふ、はッ…はぁッ、ッぐ……やっば、もってかれそ、」 「んぁあ゛ッ…ぁひッ、あ゛ッッ!ふかッ、ふかいィ゛ッ…!!」 ごちゅん、ぱちゅんと彼のナカから俺のモノが奥を抉る音と、水音が鳴り響く。 肌同士がぶつかり合い、結合部からは俺の先走りかローションか、透明な液が溢れ泡立っている。 「ォあ゛ッ、あ…ッあア゛、ッッ~~!ぁひッ…ひンッ、ッう゛ーー!」 最早、直人は声を抑えきれずに喘いでいる。 元々気持ちが昂ると声が大きくなる彼の為に、一軒家にしておいて良かった。 じゃなきゃ、隣人に彼の厭らしい喘ぎ声を聞かれてしまうところだったから。 「あッ…ぁん、ッ…ッふ、ぅ゛あッ…けんごッ、それッ…そこやば、ぁッ!やばいィッッ!!」 「ッは…何が、ヤバイの…ッ?」 「それッ…そこ、ぉ…ッ!そこぐりぐり、って、すんな、やぁッッ!」 わざと、何がヤバいのかと聞いてみる。すると案外素直に答えてくれた。 成る程、ココが気持ちいいのか。 「ココ、気持ちいいんだね?腰揺れてるよ。」 「ひッ、ひッッ!ちがッ…ちがう、ゥッ!!ちがッから、やめろ!あかん、またッ!!」 「イきそう?イっていいよ。」 違うとは言っているが、奥を突かれ前立腺をたまに掠め、ガクガクと腰が揺れている。 俺の先が前立腺に触れる度に彼の喘ぎ声が大きくなり、絶頂が近い事を悟った。 「あ゛ッ!アガンッ、あかんて、だめッッ!や゛、あ゛ーー~~~ッッ!!」 「ッぐ、ぅ……ッッ!!」 どちゅん、と直人の奥を抉るように強く貫く。 一段と大きな声で喘ぎ、彼のナカがぎゅうぎゅうと強く俺のモノを抱きしめた。 腹に熱いものが掛かり、それと同時に直人の最奥へ自身の欲望を吐き出す。 「はー、ッッ」 「ッあ、あ…ッ!は、はぁッ…はーッッ」 ドプドプと吐き出されるものが溢れないよう、結合部をくっつけて動きを止める。 男同士だから孕みはしないのに、体は本能的に彼を孕ませようと吐き出した精液をナカに抑え込んだ。 「は……ぁ、け…んご、」 「……んー?」 体が怠いのか、抱きしめる力が弱まりずるずると彼の腕がベッドへ落ちていく。 直人の顔の側に肘を置き体を離して覗き込むと、浅く息をしている彼の目尻がふにゃりと柔らかくなった。 「ッん、けんご……」 「はいはい。」 何度も名前を呼ばれて、キスがしたいのだと気づいた。 彼の意思を汲み取って顔を寄せると、すぐに目を閉じる。 「ッん、ん……ッ」 「ふ、んンッ……んぁ、はッ…ぁむ、んんッッ」 最初は重ねるだけ。 次は角度を変えて、舌をねじ込む。 段々と深くなっていくキスに、直人が気持ちよさそうな声をあげた。 「ッは……」 「ぷは、はッ…はーッ、はぁッ……」 唇を離すと、混ざり合った唾液が糸を引き、ぷつりと途切れる。 直人が荒くなった息を整え、ゆっくりと瞼を開いた。 「……直人、今しあわせ?」 「…?ん、しぁわせ、やでぇ……?」 疲れているのだろうか、舌があまり回っていない。 とろんと眠そうな瞳で俺を見上げ、直人が幸せそうに笑う。 そんな彼の髪の毛先から、白く小さな花が咲いた。 「そういや、お前も花食みなんだろ?何か持ってるのか?」 同じく花食みの同僚にそう聞かれ、頼んでもいないのに目の前に押し花の栞をチラつかせる。 「俺、薔薇なんだよね。いいだろ~。」 「赤い薔薇は、あなたを愛してます、だったっけ?」 「そうそう。愛されてるよな、俺。で、お前のは?」 仕方ないと、首に掛けていたチェーンを服の中から引っ張り出す。 チェーンにはロケットがついており、それを開くと半透明の白い花びらの花が、綺麗にレジンで固められ入っている。 「…?何の花だ?これ。」 「サンカヨウだね。花言葉は、親愛とか、幸せとかだった筈。」 赤い薔薇よりは、見劣りするかもしれない。 だが、これは彼が幸せでいることの象徴であり、俺を愛してくれている証だ。 「ふーん。良かったじゃん。花生みが幸せでいることが、俺らにとって一番の幸せだし。愛されてるなー!」 ニヤニヤと同僚が笑い、少し気恥ずかしくなる。 誤魔化すかのようにロケットの蓋を閉め、服の中に戻した。 「ほら、お前も早く仕事終わらさんと、大事な花生みのとこに帰れないよ。さっさと手動かせって。」 「はぁーい。」
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