No.8 両想い🔞

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No.8「両想い」🔞 登場人物名 ・受け 海(かい)………ベータ。 ・攻め 蒼汰(そうた)…アルファ。 「…海。」 「んー?」 ふと蒼汰に呼ばれて、顔を上げずに返事をする。 親友である彼が住んでいるアパートで、二人。何をするでもなくただ無駄な時間だけを潰していると、突然彼がおかしなことを言い出した。 「好きだ。」 「……?俺もだよ?」 何を今更、とスマホから顔を上げて蒼汰を見ると、案外すぐ近くに彼の顔があって目を見開いた。 「お前の「好き」は意味が違うだろ。…分かってるんだろ?鈍感じゃないんだから。」 「……」 蒼汰が、俺に体を寄せてくる。 彼の手が俺のスマホを取り上げ、テーブルへと雑に置かれた。 「…蒼汰。」 背もたれ代わりにしていたベッドに体を押し付けるように、彼が俺の肩を掴む。 眼鏡を掛けている彼に見据えられ、ガラス越しに俺を鋭く見下ろした。 「駄目だよ。」 「……何で。」 近づいてくる蒼汰の胸を、弱い力で押し返す。 駄目だと首を横に振ると、不満そうな声が返ってきた。 「何でも何も、俺もお前も男だろ。」 「…今の時代でんな事言われてもな。」 「それは、そうだけど……でも、お前にはきっと、俺よりいいパートナーができる。だから駄目だ。」 「………」 そんな事はないと、言いたいのだろう。 じっと蒼汰に見つめられて、その瞳に弱い俺はつい許してしまいそうになる。 だが、駄目だ。俺は、彼を受け入れてはいけない。 だって、俺は…… 「お前は、アルファだ。運命の番が見つかれば、きっと俺は邪魔になる。だって俺は、ベータなんだから。」 俺はベータ。オメガのように彼の子が産める訳でもなく、彼のように優秀でもない。 それに比べて、彼は優秀なアルファ。きっとこの先、運命の番であるオメガと出会う筈だ。もしくは、優秀なアルファの女と結婚するか。 だから、駄目だ。 「……そんな事、関係ない。」 「関係あるだろ。……頼むから、お前は親友のままでいてくれ。」 親友のままでいてくれと、懇願するような視線で蒼汰の顔を見上げる。 俺と彼が一緒になる未来なんて、最初から存在しないのだ。そんな夢を見る事すらできない。 だから___ 「……分かった。じゃあ、一回だけ。一回だけ、お前を抱かせてくれ。」 蒼汰の胸を押していた手首を掴まれ、彼の体から離される。 その腕ごと彼に抱きしめられ、諦めの悪さに溜め息を吐いた。 「…そしたら、諦めるんだよな?」 「おう。ちゃんと、諦める。お前の親友でいられるように、努力するから。」 「……しゃーねぇなぁ。一回だけだからな?」 この一回で諦めるのなら、今だけは受け入れても良いだろう。 誠実な彼のことだ。これが終われば、俺の親友として変わらずにいてくれるのだろう。 …俺も、たった一度くらいは夢を見ても良いのかもしれない。彼と繋がりあう事は無いと分かっているが、一度だけ。この一度だけなら…… 「…準備、してくるから。なぁ、離れろって。」 「……ん。」 名残り惜しいとでもいうかのように、蒼汰が眉尻を下げて俺から体を離す。 その表情が可愛いと思ってしまう自分に、嫌気がさした。 ……俺もコイツも、三十を超えたオッサンなのにな。 「ッふ……ん、ンッ……」 ぐちゅ、ぬちゃ…と厭らしい音が狭い部屋に鳴り響く。 親友である彼によって尻に粘度の高いローションを塗り込まれ、彼のゴムを被った熱い性器が何度も尻の割れ目を撫でた。 「……なんだ、経験あるのか?あんなに男同士は駄目って言ってた癖に。」 「ッッ…そりゃ、べーた、だから……孕む心配も、ないし…」 彼を忘れる為に、何度も男に抱かれた。 最初は同じベータの女を抱いていたが、彼を好きだと気づいてからは男を捕まえて一夜限りの関係を持っていた。 「…尻、ヒクヒクしてるけど。欲しいか?」 「っ……い、ぃ…から、ッッ!さっさとヤって、満足しろ!!」 早く終わらせてくれ。 時間を掛ければ掛けられる程に、自分が自分でなくなってしまいそうだ。 彼への気持ちが、溢れてしまいそうだから。 これは、彼に諦めてもらう為の行為だ。さっさと出して、性欲を満たして俺から離れてくれ。 「じゃあ、入れるぞ。」 「ンッ……」 尻穴に、蒼汰の性器の先が触れる。 思わず息を呑んでしまうと、ゆっくりと彼の性器がナカへ押し込まれた。 「はーッ、ふ…んッ、ンッ…ハぁ、はッ……」 「ッハ……」 ゆっくり、ゆっくり蒼汰が俺のナカに入ってくる。 特に大きい方という訳ではないが、それでも本来は出すところに性器を押し込まれているからか、圧迫されているようで苦しい。 ぎゅっと、枕にしがみ付いた。 「んンッ!ッは、はぁ……は、いった、ぁ……?」 「ッ……ん、全部入ったで。」 「ッふ、はぁッ…ハッ、んん…ぁ、あッ……!」 目を閉じ、圧迫感に耐える。 すると、彼の手が俺の両手首に触れた。 「はッ……んん、なに…ぃッ?」 「男の経験あるんだったら、激しくしてもいいだろ?こうやって、両手首掴んでヤろうぜ。」 俺の手首を掴み、勝手に背後へと引っ張られる。 ぐいっと強く引っ張られると背が仰け反り胸がベッドから離れ、当然顔も枕から離れてしまった。 「ッえ!?ぁ、ちょッ…」 「最初で最後なんだから、声我慢しようとか考えんなよ?ちゃんと、聞かせろ。」 「ッひ…ぁ、あッ…!ッん…ふ、んンッ……んァ、やッ…ぃやや、こぇッ…こえダメッ!」 ゆっくりと彼の性器が引き抜かれていき、そしてすぐに押し込まれる。 必然的に声が抑えられなくなってしまい、焦りと緊張で頭の中が熱くなった。 「んッ、ンッッ!ぁ、ッふ……んぁ、んッ…」 「…おい。声抑えんなって言ってるだろ。」 「ん゛ッッ!?ッあ、ぁ、まッ…まって、ちょ、まだッ…ひ、ひッッ!」 下唇を噛んで声を抑えようとしていると、突然蒼汰の動きが早くなる。 ごつ、ゴツと腹の奥を突かれて、声が抑えられず部屋に響き始めた。 「んぁ゛ッ…ぁ、あッッ!まっで、まだダメ、ッ…だめッッ!!」 「ッは……気持ちよさそうにしてる癖に。」 「んッ、ン!?ぁ…ちが、ちがッ…ちがう、ぅ…ッッ!」 違うと否定するものの、何度も男に抱かれている体はすぐに快楽を拾い上げ始めていた。 「んッ…ぁ、あッ…ッふ、んン~~ッッ!ンぁ、あ゛ッ、ヒん、ぁ…あ゛ッッ!」 「はぁッ……なぁ、海。」 「ぁ、あッ…な、にぃッ…んッ、ンッッ!」 蒼汰の熱を帯びた声で名前を呼ばれると、腹の奥がゾクゾクと震え、ぎゅっとナカを締め付けてしまう。 それに知らない振りをして、少しだけ振り返った。 「名前、呼べよ。俺の名前、いつもみたいに。」 ギラギラと、獲物を捕らえた肉食動物のような鋭い視線を向けられて、体が竦む。 彼の名前を呼べと言われたが、首を横に振った。 「ッッ……は、ッ…やだ、って…いったら…?」 呼びたくない。勘違いしてしまいそうだから。彼が俺のものになる訳がないのに、愛し合っているのだと思ってしまいそうになる。 嫌だと言うと、手首に冷たいものが触れた。 「ッッ!?な、なに、ッ……」 手首を解放されたのに、前へと持ってこれない。 腕を動かすとガチャガチャと金属音が鳴り、訳が分からなくて混乱した。 「オモチャの手錠でも、鍵さえなければ本物と変わらんだろ。」 「え、ハァ!?んなプレイするって、きいてな」 「プレイ、か。本当にそう思うか?」 「……あ、ぇ…?」 蒼汰の言っている意味が分からなくて、混乱する。 ……いや、分かっているのかもしれない。ただ、理解したくないと脳が拒絶しているだけ。 「…はは。これで、海は俺のものだな。本当に一回で諦めると思ったか?」 「ッッ……」 「アルファとかベータとか、性別なんて関係ない。お前は俺の親友で、俺の事を理解できるのはお前しかいない。運命の番とか、んなもん知らないんだよ。」 彼の手が、俺の腰をがっしりと掴む。 次の瞬間、視界が真っ白に染まり脳が強く揺さぶられるような感覚を覚えた。 「ッお゛、ッッ!ぁ、あ゛――~~~ッッ!かハ、ッ…ひ、ヒッッ!!」 「お前が俺を好きだって認めるまで、一生外さないからな。」 ごちゅん、と奥深くまで彼の性器が押し込まれた。 突然の事で覚悟ができておらず、与えられた強い刺激に目を白黒させる。 気持ちが、いい。 「あ゛、ッ…ぁ、あ゛ッッ!ひギッ…ォ、あア゛ッ!あへッ、ま゛っ…まッで、つよ゛、ぉ゛ッッ!!」 「は、ッ……なんで、ッ…こんなに愛してるのに一緒になっちゃ駄目なんだ…?なぁ、かい。お前も俺の事愛してるだろ?それなのに、何で…ッッ!」 「んい゛ィッ!あ゛ッ…あ゛――ッッ!!ぅぎ、まッ…まっで、ェッ!どめ、とめへッ…づよ、ォ゛ッ!!」 強すぎる刺激から逃れる手段を、俺は持っていない。 両腕を使えずズリズリと体を前に逃がすものの、腰をがっちりと掴まれていてすぐに引き戻されてしまう。 ぱちゅん、ぱちゅんと厭らしい音が鳴り、ナカの肉壁を彼の硬くなった性器が擦り上げた。 「やだ、やあ、ぁッ!どめで、どまっでぇ、ッッ!ひンッ…もぉ、とめッ……!」 「無理だろ。かい、エロいぜ?こんなにぎゅうぎゅうに俺のちんこ締め付けてさ。」 「あ゛ッ、あ゛ッッ!やぁ、やだ、ぁッッ!そう、ッ…そうた、ッ…そうた、ぁッッ!!」 強すぎる刺激に泣きながら降参して、彼の名前を呼ぶ。 背後から嬉しそうに笑う声が聞こえ、さらに刺激が強くなってしまった。 「お゛ッッ!なんれ゛、ッ…なん、でぇッッ!つよ、むりッ…む゛り、ィ゛ッッ!!」 「はぁ?無理じゃないだろ。こんなに男に慣れてるのに?ほら、もっと締め付けろって。」 「んイ゛ッ…ぁ、あ゛ッッ!」 パン、と太ももを叩かれ、腰が跳ねる。 スパンキングとまではいかないが奥を突かれながら尻に近い場所を叩かれると、痛みと快楽が混ざって訳が分からない刺激が訪れた。 「あ゛ッ…やだ、ぃや、ぁッ!とめ、とめで、ッ…そぅ、たぁッッ!!」 「ッ……は、気持ちいいな。」 背後から気持ちの良さそうな吐息が聞こえ、さ更に腰の動きが激しくなる。 ぐちゅぐちゅとローションが水音を鳴らし、肌と肌がぶつかる音が響いた。 それと同時に俺の声も狭い部屋の中で響き、口を塞ぎたくて仕方がない。 「ひ、ひッ…だめ、ダメッ…もぉイ゛ぐッ、そぅた、イぐッッ!!」 「イく?いいぜ、イっても。ナカイキできるだろ?」 「へッ!?むり、むりッ!んなの、できな、ぁあ゛ッッ!!」 ナカイキなんて、できる訳が無い。 そんな事一度もした経験がなくて、必死に首を横に振った。 「やだッ、やだッてば、ぁッ!どめで、そぅッ…そうた、ぁッッ!!」 「なんだ、初めてか?じゃあ都合いいわ。ナカイキ、しようぜ?」 「ぁ、あ゛ッ…!!やだ、ぃやだッ…や、ッ…んーーッッ!!」 嫌だと何度も言っているのに、彼が止まる気配は無い。 射精したくて俺の性器はビンビンに反り起ち、彼の動きに合わせて揺れていた。 「ほ、ッ…ほんとにだめ、ッッ…だめ、ッ!やだぁ、そうたッ…イぎたい、ぃッッ!さわッ、さわっで、さわってよ、ぉッッ!!」 「は…気持ちいいな。海のナカも、俺の事好きだって言ってるぜ。両想いだな。」 「んお゛ッ…あ、あッ…も、だめッ…んぎ、ッ……ぁ、あ…ッッ!」 性器には一切刺激を与えられず、それなのに快楽はどんどん蓄積されていく。 ずる、ぐちゅっと蒼汰の性器が何度も何度も奥を突き、頭の中が真っ白になる。 未知の快楽にボロボロと涙を流して、どちゅんと彼が奥深くを突いた瞬間に一瞬だけ意識が途切れた。 「んひッ、ン゛ーー~~~ッッ!!」 ぶしゃ、ぶしゃとベッドに敷いたタオルにどろりとした精液を吐き出す。 カクカクと腰が揺れ、溜まっていたものが一気に吐き出される感覚に身震いした。 初めての感覚に、体の震えが止まらない。 「っ……」 蒼汰も、射精したらしい。 彼の動きが奥深くを突いた途端に止まり、種付けするかのように腰を押し付けたまま甘い吐息を漏らす。 「ッ、は……」 「ぁ、あ……ッ、ぅあッ……ぅそ、ぉ…ほんと、に……」 「できたな、ナカイキ。」 膝も震えて、上手く体を支えられない。 蒼汰が腰から手を離し、俺の頭を優しく撫でた。 「まだ、いけるだろ?」 「ッ、ひ……」 彼が俺の背に体を密着させ、体重を掛ける。 ズルズルとベッドに腰まで押し付けられるような体勢になり、うつ伏せの状態になる。 太ももを彼の脛でベッドに押し付けられ、完全に自分の意思では身動きが取れなくなった。 自分の背と彼の体で挟まれている手が、痛い。 「んっ、んッッ!ぁ、うぅ~~ッッ!」 ゆらゆらと彼の体が揺れ、奥に入ったままの性器が刺激を与えてくる。 弱い刺激が継続的に与えられ、きゅうきゅうと腹の奥が締まった。 「ぁ、あッ…んン、そッ…そぅた、ぁッ…」 「ははっ、気持ちいいな?かい。」 「ぁ、ンッ……ふぁ、あッ…きッ、きもち、ぃ……ッッ」 彼に名前を呼ばれて、体が喜んでいるかのように震えた。 ……あぁ、駄目だ。絆されてはいけない。拒否しないといけないことは、分かっているのに。 「う゛ぅ、ッ……ぁ、そ…そぅた、ぁッ…」 「ん?」 「ッふ…ぅ、ッ……んッ、すき…すき、ッッ!そうた、ぁ……」 「俺も、好きだぜ。」 どうやったって、この気持ちを抑えることは不可能だったのだ。それならば、もう受け入れてこの気持ちに向き合うしかない。 いつか辛い未来が訪れると知っていても…… それでも、俺が彼を愛している事には変わりないのだから。 「あー、悪い。他を当たってくれ。」 オメガの匂いをプンプンとさせた柔らかそうな女を、手で追い払う。 運命の番だとすぐに分かったが、こちらには全く気はないと鋭い視線を向けてそう牽制した。 「なに、逆ナンされてんの?お前顔良いからなぁ。」 「うっせ。じゃ、連れ来たから。あんま俺の周りウロチョロするんじゃねーぞ。」 オメガの女から隠すように、ようやく仕事から帰ってきた海の肩に腕をまわして距離を取る。 女は呆然として、追いかけてくる気配は無い。 「……良かったのか?運命の番、なんだろ?」 「いいって前も言っただろ。俺の理解できるのはお前しかいないんだから。」 歩きながらぎゅっと彼を引き寄せ、まだ言うのかと彼にじとりとした視線を向ける。 すると、海は肩を竦ませて仕方なさそうに笑った。 「…ほんと、お前俺の事好きだよな。」 「当たり前だろ。俺は、昔からずっとお前しか見てないんだから。」 「ふーん。……変な奴。」 そう言う割には、嬉しそうな顔をしている自覚はないのだろうか。 海がゆるりと頬を緩め、俺から視線を外した。 「俺ん家でいいよな?」 「…ん。」 小さく頷く海に満足し、彼の手に触れた。 びく、と震えて離そうとした彼の手を無理矢理握り、大人しくなった彼に満足して自分のアパートに向かい足を進める。 傍で俺と共に歩く彼の首筋には、スーツの隙間からチラリと消えかけている噛み痕が見えた。
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