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だが、もう大丈夫だ。親元を離れて新しくアパートで一人暮らしを始める今、自由に執筆の時間を取ることができる。
久しぶりに小説の投稿先を開いた。トップページの上のバーにあるベルマークには赤い点が付いていた。クリックしてみれば、通知が何十件も来ていて本当にびっくりした。
確か、この投稿先で小説を投稿したのは10年前が最後だった。その後で時折この投稿先を開いたのだが、小説の執筆に手を付けることはなかった。
投稿作品一覧の『時夫の冒険』を押す。すでに第4章まで執筆していた。10年経過した今でも、まだ星は100個程度だ。
それでも、粉雪シロはにっこり笑った。
まだまだ、これからだ。彼女はノートを開き、そこで微笑んでいる「時夫」の絵に笑いかけてやった。
「行こう、時夫。怖い魔物も綺麗な妖精も現れる、ハラハラドキドキの冒険へ」
粉雪シロは、パソコンのキーボードを打ち鳴らした。
『そして、時夫の時が動き出す』(2023/12/10更新)。
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