そして、時夫の時が動き出す

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 僕たち2人は、しばらくお互いを見つめ合ったまま黙り込んでいた。シロちゃんとの思い出の写真を貼った部屋は、先ほどまでカラフルだったのに、急に色のない世界に変えられてしまった。  部屋はストーブも焚かれていて、暖かいはずなのに寒い。この部屋には窓もないのに、どこから冷たい風が吹き込んでくるのだろう。  すると、シロちゃんがぽつりと何かを呟いた。  僕は聞こえなかったので、シロちゃんの言葉に耳を傾ける。 「ごめんね。私、時夫ともっと冒険したかった……!」
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