此処に居て、此処に居ない。

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此処に居て、此処に居ない。

   雪宮 透 私は街を歩くたびに思う。 引っ越して、知らない街の風景に知らない人ばかりな道。 引っ越した後も、私は慣れることはなく。 話し相手も頼れる人も、居ないまま時はすぎる。 街を歩き買い物をすれば、まるで私だけが時間が止まってるみたいに感じる。 周りが、和かに過ぎて行くたびに暗くなっていく感情がみるみるスローモーションの様に、 周りを映す。 ゆっくり、ゆっくり流れては過ぎる。 引っ越してから笑わなくなってるのは感じてる。 カーテンから見える飛行機をみては、戻りたいと 呟く。 戻れるものなら戻りたい。実家の状況があまり宜しくなく、つい最近戻ろうかなっと父に相談したら、私が今戻るのは余計にストレスを感じるだろうからと、止められたのだ。 だから、今は戻れない。 引っ越して、この様になってから。 時折り不思議な気持ちになる。 街を歩く時に、知らない人や知らない風景に瞬きをすれば、私はここに居るのに居ない様に感じる。 此処に居て、此処に居ない。 息をして目を開いてるのに、居る様で居ない。 私が安心できる場所は、何処なのだろうか。 私の居場所は何処なんだろうか。 その思いを抱えたまま、また朝を迎える
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