マルさんは憧れです(刑事の部下視点)

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マルさんは憧れです(刑事の部下視点)

「・・・はぁ? どういう事だ?ああ、解った。」 「マルさん? 何か事件すっか??」 「いや、まだ事件と決まった訳じゃないと思うが・・・。まぁ、いいお前も一緒に来い。」 「はい!!」 嬉しそうにマルの後をついていく部下とは対照的に、零の表情は優れなかった。 助手席に乗り込んだ零の告げた行き先に、部下は車を走らせた。 「しっかし、マルさん。さっきの、終わった事件っすよね?」 「終わった・・・ねぇ・・。」 ♪♪♪ チッ 「おーい? かけておいて、聞いてるのか? おーい、高雅? 聴こえているか〜?」 「ああ、聞いてる。」 「全く、オレも暇じゃないんだからな!! はぁ・・・ああ、結果が出た今日、お前の部屋に持っていく。」 上司の顔色を伺うように部下が聞いてくる。 「マルさん? これから行く国立バース診療って、Ω特化の病院ですよね?」 「ああ、そうだけど・・・。君、抑制剤は服用しているよな?」 「はい!! と言っても、自分のはΩ用ですが・・・。」 そう言って、少し頬を赤らめた。 「・・・君、Ωだったんだ。あ・・・オレと一緒って大丈夫だったか?」 「あ、はい!! むしろ、ご一緒出来て、光栄です!!」そ、それにマルさんとなら・・・・ チラッと伺い見る上司の顔は、特に気に留めた様子もなく窓の外を眺めていた。 この上司の噂は、署内でも有名だった。 ある事件をきっかけに、人が変わったように仕事に打ち込むようになった。 本来なら、こんな小さな事件で現場にでる必要ないのに、今でも現場に出ているのは、その事件の犯人を取り逃したからだとか、色々と言われていたがその真相は定かではなかった。ただ、もう彼に逆らえる者は署内にはいなかった。  そんな彼と現場にでることができるのは、現場の刑事にとっては光栄なことだった。 それに、万が一彼と番になれれば・・・・と思う者も中にはいた。 まぁ、そんな気配を出した瞬間に彼の前にはいられなくなるのは周知の事実だった。 「あれ・・・?中の様子なんか、おかしくないですか?」 ロビーに車を止めると、中で看護師たちが慌てて走っている様子が見えた。 「・・・少し、待ってろ・・・。」 「は・・・はい。」 零が車から出ると、若い看護師が走ってきた。 「あ、あの! 刑事さんですか?? 先生が、ここにきて欲しいって・・・」 「・・・え? ああ。 所で、何かあったんですか?」 「え、あ・・・・その・・・うちの看護師が、患者のカルテを持ち出して居なくなったようで・・・。」 「・・・看護師がですか?」 「はい・・・。真面目ないい人だったんでけど・・・。」 「・・・その看護師の名前は?」 バンッ!! 「おい!!!! ここの住所に急いでくれ!!!」 「は、はい!!!」 車に戻ってきた、零の顔は今ままでに見たことの無い顔だった。 一体、この住所に何が・・・? その疑問は、すぐに晴れた。
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