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高雅運ばれる。
あの男は何で、俺の事を知っていたんだ?
それに、尊に何でこんな酷いことを・・・
ああ、あの男は本当に余計な事を・・・。
震える尊を強く抱きしめると、尊が抱きしめ返してきた。
そこで、自分が思った以上にあの男の言葉に傷ついていたんだと思った。
助けにきた救急隊の姿を見たときには、尊を抱きしめたまま意識を失っていた。
次に気がついた時は病院のベットの上だった。
「と、東堂!!」
「・・・尊?」
思わず、尊に手を延ばすが視界がボヤけて、思うように掴めないでいると尊が手を掴んで、自分の頬を擦り寄せた。
「尊が無事で、良かった・・・。」
「うん、うん・・・」
尊の顔が滲んでくる。
同じ様に、尊の頬を伝う涙が高雅の手を濡らした。
尊が好きだ。
尊のこの顔をまた見れて良かった。
きっと、尊は俺のしたことを許さないだろう。
けれど、それでもいい。
尊がこれ以上、涙を流さないでくれればいいのに・・・。
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