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「むらさきの森があったのは、確か、この辺だったよな、、、?」
住宅街になっていて、全く、わからなくなっていた‥‥。
しばらく、ぐるぐると、探し回っていると‥‥
‥‥‥『あっ、、、あれが、イチョウの木かもしれない‥‥』
住宅街の家の屋根の隙間から、緑色した木が小さく見えた‥‥『あんなに遠かったかな?』
背の高い、樹齢何年のイチョウなんだろう、、、私に、〝ここだよぉ”と教えてくれたように思った。
あの、イチョウの木が、〝この街を、今でも見守っていますから、、、”と言いたげに、
たくましく、そして、厳かに、そこにいた‥‥。ベンチが2つ、イチョウの木を挟んで置いてあり、犬の散歩の子供と、
縄跳びの練習をしている子供がいるくらいだった。
イチョウの木の側まで行って、『お久しぶりです、、、また、この街に戻ってきました‥‥
‥‥コノハと、コトハのお兄さんと、会わせてくれて、ありがとうございました、、、』
そんなことが、急に、よぎって、心の中で、イチョウの木に話しかけていた‥‥。
ポケットから、あの、勾玉を出した、、、『勾玉が喜んでる‥‥』
‥‥イチョウの木も何かを察知したかのように、風で葉が、ゆらゆらと急に揺れ始めた‥‥。
イチョウの木が残されたことは、本当に良かったことだと思った。
この街の住人も、この木が御神木であると、理解していたのかもしれない‥‥‥。
「また、来ます」と言って自転車に乗り、この場所を記憶に留めた。
雨が降ってきて、神様の歓迎だと、、、そう思った。
『お天気雨だなぁ〜‥‥そうだ、〝狐の嫁入り”だ!』 すごく縁起が良くて、ラッキーだ‼︎
そんな時は、〝おめでとうございます!”と大きな声で言うと、狐のお父さんが、〝ありがとうございます”と言って、
幸せのお裾分けをしてくださるそうだ‥‥だから、お天気雨が降ると、必ず、そう言って〝幸せのお裾分け”を頂いている‥‥。
そこに、虹がかかると、尚、ヨシ!‥‥尚、吉!です!
少し下り坂になっていたので、車が来ないことを確認して、ブレーキをかけながら、自転車のスピードに任せて、
風を感じながら、坂道を下って行った。『爽快だなぁ〜〜‥‥だから、自転車って好き‥‥』
この日は、なんだか、コトハと、コノハの2人から、念を贈られてきている様な気がしてならなかった。
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