むらさきの森

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日増しに、カンも戻りつつ、本来の自分になっていった‥‥。 それからも、しばらく、あの店に通い、自分の時間が充実していく中で、 「こちらは、アルバイト募集されてないんですか?」 と、唐突に聞いていた‥‥『なんだ?今のは、、、』 自分でも、よくわからないまま、カウンターの向こうの人に、話しかけていた‥‥ ‥‥「えっ⁉︎‥‥僕らも、社員になる前の修行で、バイトなんですっ‼︎」‥‥と、笑っていた‥‥ ‥‥「社員さんが、明日来られたら、伝えておきますよ、、、明日、ご都合のいい時間に、そちらから、お電話していただけますか?」 そんなやりとりの中で、普通だと、「すみません、募集はしてないです」とか、「社員が留守でわかりません、、、」 そこに、社員へ伝えてくれて、こちらからの連絡で良いのですか?と、優しさを感じた‥‥‥ 1人の男性が、「御連絡先を伺うより、社員へ話を通しておく方が、そちらも気が楽でしょ?、、、」と、会話の心意が読めた。 『なんか、大人な振る舞いというか、、、接客業って、こんな風に、そつなくやるんだなぁ〜』 と、心の中で、頭を下げている自分がいた。 次の日、緊張しながら、その店へ電話をした‥‥‥プルルルルル〜プルルルルル〜と3回目で、女性の声がした‥‥‥。 「タイミングよく、1人、海外支店で仕事をするモノが決まっていたので、アルバイト募集しようかと話していたところだったんですよ‥‥ ‥‥よかったら、明日でも面接しませんか?」 な、なんと偶然、、、しかし、偶然などなく、全ては必然なんだということが、 自身の六感とリンクしてくることが、段々と認識できるようになっていくとは、まだ、気づいていなかった、、、私‥‥‥。
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