孤毒

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 古ぼけたスナック街を歩く、茶髪の男と莉奈を見た。  腕を絡めあって、莉奈は男を見上げる。少女のような瞳だった。  あの日から行きつけになってしまった、マッチョがやってるスナックを出たところで見かけた男女。男は恐らく金をせびる側で、莉奈はカモ。  私は声もかけられずに、二人がホテルの並ぶ細道へと消えていくのを見ていた。私はまだ彼女からのメッセージを未読のままだというのに、こんなにも寂しい。
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