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「初樹くんごめんなさい。2人で行くはずだったレストランの予約、そのまま利用しちゃって。初樹くんに悪かったなって思ってて。ずっと申し訳なかったの」
だからあんなに目が泳いでたんだ。まあ、彩乃ちゃんが浮気とかありえないんだけどね。
「謝る必要ないだろ。俺に気を遣わないで、遊びに行ったり友達とでかけたりしていいんだから」
「だから、そういうわけには」
彩乃ちゃんがうつむくのを見て初樹が苦笑している。そうなのだ。控えめで律儀なんだ、彩乃ちゃんは。
「俺さ、もとの部署に戻ろうと思ってて」
「そうなの?」
また部署異動ってこと?そういえば異動してから一段と忙しそうにしてたな。
「そうすると給料下がるし出世コースにも乗れないんだけど。でも俺も能力の限界があってさ。スキルアップしようと思ってパソコン教室通ったり勉強したりしてたんだけど、全然ダメで」
内緒でパソコン教室?
そんなの隠さずちゃんと言ってから行けよ。
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