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「へ~!相葉(あいば)明里(あかり)ちゃん、付き合ってたんだ」 「よかったねぇ明里(あかり)。おめでとう」 彩乃(あやの)ちゃんと初樹(はつき)の向かい側で、これまた仲の良さそうな男女が寄り添って微笑んでいる。なんでも彩乃(あやの)ちゃんと初樹(はつき)の大学の同級生だった2人が、いつの間にか付き合いだしていたらしい。 「じゃあ挙式は神社か?」 「まだそこまで話してないよ」 「でも相葉(あいば)は親父さんの次に宮司になるんだろ?将来安泰でうらやましいよ。俺なんか頑張ってもほとんど評価されないサラリーマンだし」 相葉(あいば)くんは神社の跡取り息子らしいな。 横の彼女もそれはわかっているようで楽しそうに頷いている。 「俺たちはまだ付き合って3ヶ月くらいだし。そういうことは追々だよ」 「え?3ヶ月も?なんだよ、すぐ言えよな」 「いや、報告しようと思って何度か初樹(はつき)に連絡しただろ?飲みに誘って言うつもりだったんだけど、最近忙しいんだよな?」 相葉(あいば)くんに言われて、コーヒーを飲んでいた初樹(はつき)の手がビクッと震える。なに動揺してるんだよ? 「そうなんだよ、忙しくてさ。でも彩乃(あやの)は?彩乃(あやの)と3人で飲みに行ったってよかったのに」 彩乃(あやの)ちゃんは困ったように笑っている。
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