オレンジ色の花

出逢い～花サイド～

「おはようございます！」

「おはようございまーす。」

いつも通りの出勤。

いつも通りの挨拶。

私は地元から少し離れた町の
建設会社に勤めている。

工務部解体工事係の事務をしている
普通のOL。

多数ある部署に
それぞれ女性陣は１人ずつ。

総務課のみ3人の女性が居る。

女性が少ないからか、
社内では虐めや派閥等も無く
とても良い会社だ。

この会社に入社できたのは
奇跡だと思っている。

高卒でなんの取り柄も無く、
常識もあるとは言い難い。
ましてや、卒業後は
肉体労働しかしてこなかった。
それなのに、無謀にも転職の際、
特にやりたい事もなく
適当に選んだ事務職。

恋愛もそこそこに
仕事最優先で生きてきた。

33歳。

学生時代より成長したのだろうか。。。

いつも思う。

私は成長しているのか。
真っ当に生きていけるだろうか。

この年まで、《普通》
という言葉に執着し続けてきた。

そんな私でも、
経験ゼロではない。

今まで３人の男性と付き合った。

１人目は高校時代から２年付き合った。
家柄を重要視する相手の親に猛反対され
いつしか彼の態度も冷たくなり自然消滅。

２人目は前職の先輩。
付き合って１ヶ月経った頃、
既婚者だった事がわかり、
私から別れを告げた。

３人目は中学の同級生。
25歳の年に同窓会で久しぶりに会った。
昔話と近況話に花が咲き
一週間後、結婚を前提に
付き合ってくれと言われ
承諾したら詐欺だった。
警察沙汰にまでなり当然破局。

それを最後にもう恋なんていらないと
転職と同時に地元から離れ
１人暮らしをしながら
気付いたら30歳を過ぎていた。

幸せなんて半ば諦めて過ごしていた。

今日までは。