闇と祝福~優人サイド~

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立ち上がって出て行こうとする 彼女の腕を掴んで言った。 「いい加減にしないと いくら花でも俺、怒るよ?」 俺の手を振り払おうとする彼女を ベッドへ座らせた。 少し力が強くなってしまったのか 彼女の顔が歪んだように見えたが 落ち着くまで離すつもりはなかった。 「自分自身、いつもと違うって 気付いてるよな?何があった?」 俯いた彼女の顔を覗き込むと あからさまに視線を反らされた。 黙って待っていると ゆっくり、小さな声で 彼女は話し始めた。 「私が悪いのも 間違ってるのもわかってるの。 だからお願い。ほっといて。」 イラっとしたが これ以上キレないように 気を付けて話した。 「自分の中にだけ溜めないで? 何でも話せる夫婦に なるんじゃないの? ・・・子供の事?妊娠の話?」 その瞬間、彼女の目から 大粒の涙が溢れた。 彼女は泣きながら自分の中にある 闇を解き放ち始めた。 「自分が最低な人間なんだって思ったら 優人に言えなかった! 悟られたくもなかった! 心から喜んで応援してあげたいのに 私達より先に妊娠して出産したら どうしようって。 無意味な不安なのもわかってる! でも体質の問題もあるけど こんなに求めてるのにって! 優子さんが嫌いとか憎いとか そういうのは無いの! ただよくわかんないし 上手く言えないけど、ズルいとか 神様は意地悪だとか そう思う自分が嫌い!腹が立つ! 他の人は上手くいって なんで私はダメなのって! 私の何がいけないの!? 本気で子供欲しいから 病院にも通って なのになんで来てくれないの!? 4人の子供に恵まれて なのにまだ求めるの!? こっちは1人すら恵まれないのに! そういう考えが浮かぶ自分が 最低すぎて許せない! けど、此処にあるの!! モヤモヤした黒い何かが!! 気持ち悪いの!!」
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