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食欲がなく朝も食べずに学校へ行くと、クラスがざわざわしていた。
「あ、詩織が来た!」
私に気づいた男子が声を上げた。
「大変だよ! 昴太君が……」
女子が駆け寄って教えてくれた。
昴太が校庭で朝練していると、突風が吹いてサッカーゴールが倒れて下敷きになり、救急車で運ばれたというのだ。
「えっ!」
どうして? どうして私じゃなくて昴太がと、驚いて琴子ちゃんの方を向くと、琴子ちゃんがにやにや笑いながらこちらを見ていた。
朝礼で先生が、昴太は怪我をしているが命に別状はないと発表してくれて、皆が胸を撫でおろした。私もほっとして涙が出た。
「この学校、呪われてるんじゃね?」
氷室さんのことがあったばかりだったので、そんなことを言う男子がいた。
私は下校のときに琴子ちゃんを呼び止めた。
「ねえ、どういうこと? 昴太に何かしたの?」
絶対、琴子ちゃんが関わっていると確信していた。なんで私でなく昴太にと、私は問い詰めた。
「何もしてないよ。ただ菅原君いなくなれって思っただけ」
「な、なんで私じゃなく昴太なの?」
「だって、私から琴子ちゃんを取ったから」
私は愕然とした。そういうことか、琴子ちゃんは昴太が好きなわけじゃないんだとやっと気がついた。
「でも、失敗しちゃったけどね」
琴子ちゃんはにやっと笑った。そうだ。昴太はまだ危ないんだと私は気づいた。
「昴太に、昴太に何かしたら、許さないから!」
私はそう言うと、その場を立ち去った。
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